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2016年02月07日12:31

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「王妃マルゴ4巻」を読む

ついに、マルゴがフランスの歴史の表舞台に登場する。
カトリックとプロテスタントの平和の象徴として、
王女・マルゴと、プロテスタントを率いるナヴァル王子・アンリが結婚することとなったのだ。

マルゴは、異教徒との結婚なんて信じられないというが、
彼女があからさまにベッドに招き入れているラ・モルはプロテスタントだし、
国王シャルルが結婚後も密かに通うマリ・トゥシェもプロテスタントだ。

「すべては平和のため。」
カトリーヌ母后は口癖のように言うが、マルゴの心は今もギーズのもとにあって、
フランスがどうなろうとお構いなしに、なんとか結婚式をつぶせないかと画策している。
平和の名の下で、プロテスタントはわがもの顔でパリの街を歩くようになったのだが、
そのこと自体がカトリックたちは気に入らず、むしろいらだっている。
そもそも、カトリーヌ母后の言う「平和」は、
戦争をしないためなら、毒殺も暗殺もためらわないというものではないのか。

それにしても、だ。
自分の行った罪にも、女心の本当のところにも、まったく無頓着な男子は、
ほんの少し愛想よくしただけで、当たり前のように女子のことを信用してしまうのだな。
それと、いきなりの「おたわむれ」は、「少し痛うございます」から注意しなくちゃいけない。
と描く萩尾さんの「おたわむれ」も、この作品に関してはなかなかのものだ。

そして、今後が気になるのは、小心であるがゆえに逆上してしまったシャルル王の行く末だ。
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