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2016年01月09日11:53

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「金魚屋古書店」16巻を読む

実は、1年以上前に出ていた本。
そもそもリサーチ力が落ちてきているし、
棚で見かけても、読んだ本なのか読んでない本なのかがわからないとか、
そもそも、読み切り連載なので続きが読めなくてもあせりがないとか、
複合要因で、こういうことになる。残念。

さて、この巻には、オッサンの登場率が高い。
20年以上前のバブル期に漫画編集者だったが、今はうらぶれた酒浸りの男、
客に言われるままに、マンガの品揃えの良いラーメン屋に案内する53歳のタクシー運転手、
そして、そのラーメン屋で1980年代のマンガを並べて懐かしんでいる52歳の客、
30年目を迎えるコミティアに、発足当初からコピー誌で参加し続ける男。

考えてみれば、「出納帳」時代を含めると、
この作品は今世紀初めから連載が続いており、単行本も18冊出ている。
芳崎せいむも、オッサンたちに共感する年代になっていても不思議ではない。

そして、そんなオッサンたちに金魚屋やそこに出入りするセドリ衆がからむのだが、
途中で、物語内の時間のひずみに気付いてしまい、クラクラしそうになった。

というのも、「金魚や古書店の世界」は、基本的に時間がとまっている。
それゆえ、若い人たちが昔の作品を紹介してもらうというだけなら、
「いつかどこかの物語」で済ませることができる。

しかし、「2014年の53歳と52歳が、25歳ごろの1980年代の作品を懐かしむ」となると、
とたんに物語の中の時間が動き出し、そこに登場した金魚屋の店員・シバさんも、
「2014年の若者」としてピン止めされてしまう。

この作品を長く、読み続けてきた者としては、
10数年前から若者だった金魚屋の面々を知っているだけに、
今さら、シバさんのことを2014年の若者にしてしまうのは、どうにも居心地が悪い。

ひょっとすると、金魚屋の菜月さんやシバさん、セドリの岡留やあゆたちが、
時のとまったバンパネラのような人たちなのではないのか、
と、さらに過剰な妄想をしそうになった。
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