「よくあるファンブック」と言ってしまえばそれまでだ。
しかし、作者のあずかり知らぬところで、ファンを頼った楽な商売をしているような本ではない。
大量のカラーイラストには、みなもと太郎による解説的なコメントが付いているし、
みなもと太郎インタビューも、「描き下し あとがきマンガ」までついている。
もともとファンサービスには力を入れているみなもと太郎の全面協力による解説本なのである。
他にも関係者へのインタビューや、お決まりの名場面集や研究コラムもあるが、
なんといってもこの本のメインは、作品に登場した主な登場人物30人を描いた
「風雲児たち人物事典」だ。
徳川家康、徳川秀忠に始まり、杉田玄白、前野良沢、田沼意次までで10人、
続く10人には、最上徳内、伊能忠敬、間宮林蔵らのほか、高野長英、江川英竜らの名がある。
最後の10人は、阿部正弘、佐久間象山らの他、ペリー、プチャーチンの名もある。
勝海舟、坂本竜馬、西郷隆盛らは、今後も活躍しそうだ。
著者のおかべたかしも書いているが、物語は時系列を追って進むので、
一つの巻で同時に起こっているいろんな場面のいろんな人物が登場する。
本人の活躍もさることながら、亡くなった後も後の時代の人に影響を与えていたりするので、
改めて、主要な登場人物の位置づけや活躍ぶりを整理してもらうとわかりやすい。
それでも。他にも載せたい人がいる、1人4ページでは短すぎる、と不満が残るのだが、
1冊にまとめるのなら、この程度にとどまるのもやむを得ないのだろう。
なにせ、連載36年単行本45巻に及ぶ超大河歴史ギャグマンガのガイドブックなのであるから。
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