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2011年11月26日12:06

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「石橋幸緒の将棋レシピ」を読む

入門書であることは知っていたが、
「出だし4手で知る」というサブタイトルが気になった。
今さら入門書から勉強する気はないが、
将棋というゲームが石橋女流四段によって、どう料理されるかが気になったのだ。

「はじめに」では、初心者を指導していて気づいた点として、
ある程度、将棋がわかってきたころに、
しばしば、「将棋がどのような構造になっているのかわからない」、
「自分が指している手の意味がわからない」という壁にぶつかるとしている。

確かに、よくある入門書は、駒の動かし方や取り方、玉の詰め方を説明した後に、
いきなり、主な定跡の紹介に移っている。
したがって、定跡を丸覚えして、その通りに指すことができたとして、
少しでも定跡から外れた局面になると、とたんに手が止まってしまうことがありそうだ。

そんな壁にぶつかりそうな者向けに書かれた本書では、必要最小限のルールと
戦法や囲いについては組み上がり図を紹介して、「出だし4手」に向かう。
まず、初手と2手目で角道を開ける意味、飛車先を突く意味を説明し、
そして、それに対する先手の3手目、後手の4手目を
主に戦法の分岐として、つまり、何を目指しているのかという視点から概説する。

後半は、いくつかの戦法をとりあげるのだが、
一本道の定跡ではなく、変化とその意味に重点を置いて説明する。
例えば、相掛りの▲2五歩△8五歩の形から▲2四歩と突く変化を、
変化局面8図を費やしながら、先に駒を渡すことや歩切れの問題を指摘し、
だから先手が不利になると説明する。
その後も、手順は組み上がりまでにとどめ、
そこから先は定跡書を読んでください、という立場だ。

そう言う点では、「勝ち方」を記した定跡書を読む方が、
この本を読むよりも、すぐに将棋が強くなれるかもしれない。
しかし、この本を読んでから定跡書を読んだならば、
早く定跡書を理解できるし、定跡書だけを読むよりもきっと強くなれることだろう。

実は、現在の「高美濃」が古くは「美濃囲い」と呼ばれ、
「銀冠」のことを「高美濃」と呼んでいた、
それゆえ、「銀冠」は、もともと居飛車(だけ)の囲い方だった、
などの、新しいミニ知識も得られた。

LPSAのオンラインショップを通じて購入したので、
見返しのところに、サイン替わりに石橋女流4段による揮毫があった。
これだけでも、本を買った値打ちがある。むしろ、宝物かもしれない。
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