話題の本。関西を中心に売れているらしい。
「かんさいことば」の辞典を関西人が買ってどうするとも思うが、
関西人の一人である私が買ってはまっているという事実は厳然としてあるし、
そもそも、私だって関西以外の「絵ことば辞典」をほしいと思わないから、
他の地域より売れているのも、もっともだ。
1ページに2語。
それぞれ、語彙を簡潔に記し、用例をイラスト付きで示している。
一応、高く発音する音には傍点が振られていて、いかにも辞典らしい。
もっとも、イラストレーターの著者がネット上で描いていたものを
本にまとめたものなので、国語学者が見て正しいのかどうかは知らない。
並びも適当で、五十音順でも、それ以外の特別な意味があるわけでもない。
イラストに登場する人物に特定のキャラがつけられており、
(うち15人については、巻末で人物紹介がされている。)
用例についても、前の言葉を受けた連続モノがあったり、
何ページも前に登場した場面を受けたシリーズモノがあったりするので、
そういうつながりが乱れないように、描いた順に並べているのだろう。
それにしてもなのだが、紹介されている200語ほどの「かんさいことば」が、
皆、なんとも「ゆるい」のである。
関西には根底にゆるい感性があると別の機会に書いたことがあるが、
言葉については、元気いっぱいなものだと思い込んでいた。
ところが、それは大きな間違いで、実際に書き出してみると、
「かんさいことば」は根っからゆるかったのである。
特別ゆるい言葉が選ばれているとも思えない。
普通に紹介する普通の言葉が、みんな、本当に、弛緩しまくっているのだ。
数ページごとに4コママンガやコラムが箸休め的に置かれており、
巻末には「かんさいグルメ検定」や「かんさいなんでも相談室」なるものまである。
今、気がついたが、巻末の五十音別のさくいんに書かれていた例文は、
本編のものと違っていた。
これは、読みなおさなければ。
ログインしてコメントを確認・投稿する