mixiユーザー(id:34218852)

2010年12月24日14:54

106 view

言葉(5)  自分の種

 何年か前、アフガニスタンだかパキスタンかで、ゲリラに殺された若者がいた。自分探しに行ったのだとのことだった。自分探しも命がけである。
 なぜ、自分を探さなければならないのか。社会学者のエリクソンがアイデンティティ(自己同一性)が失われたことを問題提起した。彼はユダヤ人で、たぶん信仰を失ったのだろうが、自身が何者なのか分からなくなり悩んだ末に、この概念を提唱したとのことである。一般的関心を集めたのは、第二次世界大戦でアイデンティティ・カード(認識票)を失って誰だか分からない戦死者が増えたからであろう。
 日本においても、特に戦後、家や村・共同体での位置づけも義務もなくなり、それが高度成長による都市への集中で加速された結果、自分を失う人間が増えたのである。多い少ないはあっても全体の問題に違いない。
 その解決策の一つが、世界のどこにでも出かけるというものであった。友あり遠方にいるに違いない、孔子派である。
 もう一つが、歴史派で、まずは日本人のアイデンティティを求めて祖先をたずねる。自分自身の先祖はたいていの人は数代先しか分からないから。古代でも(古代ブーム)、江戸時代でも(江戸ブーム)、石器時代でもどこでもよいのだ。
 自分とは探すものでなく、作るものだと言った人がいた。なるほどと思ったが、しかし、何か核になるものがなければ作ることもできないだろう。
 生まれて、教育を受けただけではだめなのだ。
 
1 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2010年12月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031