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2010年11月16日06:40

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たましいの行方(1)  千の風になって

 新井満が作曲した原作者不明の詩の説くところでは、たましいは千の風になる。墓の前で悲しまないでください、とある。
 新井満は、詩の中のアニミズム的な発想や、よく知られている地域からいって、原作者はアメリカのネイティブ、つまりアメリカ・インディアンと想定している。
 たぶん、そうなのだろう。しかし、風になって空にただよう、というイメージは、アンデルセンの人魚姫にある。人魚姫が王子様と結婚する、という魔女との約束を果たせなくなった時、たましいを持たないとされる動物である人魚姫の「たましい」は、泡となって風にただよい始める。その時、何万日だったか、地上を眺めていれば、永遠のたましいを得られると教えられる。さらに、人間の行いに、うれしいことを見つければ、泡でいる期間が一日短くなる。悲しいことを見つけると一日長くなる、と告げられるのである。
 アンデルセンは読者である子供たちに、人魚姫のために何ができるかを教えているのであるが、これは、「千の風になって」のメッセージでもあるだろう。うれしいこと、楽しいことをしてください。それが、死者のたましいのためになる。これが、思想や宗教以前の、何物にもとらわれない人間の持つイメージなのであろう。
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