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2009年11月01日22:02

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河合敦「なぜ偉人たちは教科書から消えたのか」

古本屋で見つけた文庫。

関西が誇る教養バラエティ「ビーバップ・ハイヒール」のネタ本である。
現役高校教師の著者が、40歳代以上にはビックリの最新の歴史研究を紹介している。

まず、教科書から消えた肖像画として、次のものが挙げられる。
・聖徳太子の絵図は後世の創作。そもそも、厩戸皇子は実在したが聖徳太子は疑問。
・端正な源頼朝像と呼ばれていた絵は、足利直義を描いたものらしい。
・馬に乗った足利尊氏像とされていた絵のモデルは、高師直かその子であるらしい。
・豪放なヒゲをはやした武田信玄像は、能登の畠山義続かその一族を描いたもの。
・西郷隆盛の肖像画は、本人の死後に弟と従弟を参考にした想像画。

ほかにも、従来のイメージを壊す残念な歴史エピソードとして、
・義経と弁慶の時代には、五条大橋はなかった。
・大石内蔵助は、お家断絶の前から遊郭に入り浸って女も男も買っていた。
・遠山の金さんに彫り物はあったが、桜吹雪ではなく女の生首。
などがあったが、一番驚かされたのが、
・徳川綱吉の生類憐みの令は、捨て子・子殺し禁止や捨て子・乞食への宿泊所の提供、
囚人の処遇改善などの社会福祉的善政の一つとして評価すべき。
とされていたことだ。

この本も知っている人なら知っていることを、たくさん読みやすくまとめたもので、
特定のテーマについて深く追求するようなものではない。
歴史好きの人が読んで、今どきの日本史はこんな風になってるんだねえと、
素直に驚き、素直に喜べばよいのだろう。

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