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2006年04月27日22:16

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AERA「現代の肖像・萩尾望都」を読む

さすがに、屈指の少女漫画感覚ライターの島崎今日子である。

毎月に送られてくる30冊もの漫画雑誌にすべて目を通すという。
「漫画家ですが、漫画ファンなんです」
なんと萩尾さんらしい言葉であることか。

いや、より正確には、
「なんと萩尾さんらしい言葉をうまく拾い出してきてくれたことか」
そこから、持病の腱鞘炎の話に移る。
そして、「描けるうちに思い切り描きたい」という言葉を拾う。

コンパクトにまとめられた天才・萩尾望都については、
優秀なライターなら書けるかもしれない。
しかし、仲間たちと暮らした大泉サロンで徹夜の漫画談義をよそに、
「萩尾だけが早々に寝て、喋らず、自分の描きたいものだけを描いていた」
ということの意味、
あるいは、恩義のある大物編集者が無理強いをしたとき、
さらっと「絶縁状」を書いたことの意味、
親を立てて社長に据えた会社が混乱したとき、
休筆してまで潰したという意味。

これらは萩尾ファンでなければ重要とは見えないかもしれないが、
ファンから見ればいかにも萩尾らしいことだし、
萩尾作品というのはそういうものなのだ。

今さら萩尾望都の天才ぶりをとやかく言う気はない。
島崎今日子の描き出した萩尾望都像に拍手だ。
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