昔なら買わなかっただろうし、昔は単行本ならなかったであろう本が
いろいろ出版されるようになった。
みなもと太郎は、「風雲児たち」はコンプリートしていることと、
「お楽しみはこれもなのじゃ」のような漫画評伝が素晴らしいこと、
昔、「ホモホモ7」を読んでいたことなどをひっくるめて、
旧作が復刊すると、ときどき買っている作家だ。
この本とて2年前に出ている本だし、眼には入っていたのだが、
それなりの値段だったので手を出していなかったのだ。
だから、買ってしまったのは何かの縁みたいなものだったのだろう。
などと言い訳がましいことを書いているのは、
初出が1981年から85年の「漫画ピラニア」というエロ劇画誌ということで、
組員が組長ともう一人しかいない弱小ヤクザを題材にした
エロ・グロ・ナンセンスに徹底的にこだわったギャグ漫画だったからだ。
それが悪いわけではない。雑誌のニーズにしっかりハマっていただろう。
ただ、修正付(というか修正が必要な)女性ヌードが無根拠に扉絵で出てくると、
なんというか、その、読む場所に困るのだ。
いつもの調子で、酒でも飲みながら漫画でもというわけにはいかない。
丁寧なギャグ解説もついていて、それなりに読みごたえはあったのだけれど、
いやはや、こういう漫画だったのね、としか言いようがなかったのだ。
まあ、いいんだけど。
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