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日記一覧

福間良明著『「戦跡」の戦後史/せめぎあう遺構とモニュメント』(岩波現代全書)を読んだ。広島の原爆ドーム、沖縄摩文仁丘の平和祈念講演、知覧の特攻平和会館などの戦跡が戦後日本において広く戦争体験を伝えるメディアであり続けてきた。この本は、これら

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「ルック・オブ・サイレンス」(ジョシュア・オッペンハイマー)を見た。この映画は、インドネシアで1965年に起こった9・30虐殺事件を加害者にカメラを向けて撮った「アクト・オブ・キリング」の続編だ。それと正反対に「ルック・オブ・サイレンス」は

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「ルンタ」(池谷薫)を見た。池谷薫は中国残留兵の悲劇を描いた「蟻の兵隊」、東日本大震災で息子を失った老木樵が家を再建するまでを追った「先祖になる」の監督だ。この映画は中国によるチベット支配とその抵抗の姿を中原一博(チベット亡命政府の建築家で

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高橋源一郎とSEALDsとのトーク『民主主義ってなんだ?』(河出書房新社)を読んだ。安保法案に反対する運動に若い人たちがたくさん参加していることが話題になっている。この間の安保法案に対する反対運動には妻の看護があるため参加がほとんどできなかった

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半藤一利著『「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦』(岩波ブックレット)を読んだ。著者は、最近再映画化された『日本のいちばん長い日』をはじめ,『聖断』、『昭和史』などで,昭和の歴史,そして太平洋戦争をめぐる検証を進めてきた。その半藤が「昭和天皇実

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ドイツ映画「あの日のように抱きしめて」(クリスティアン・ベッツォルト)を見た。ドイツ降伏後のベルリンに顔に大けがを負ったネリー(ニーナ・ボス)がユダヤ人強制収容所から奇跡的な生還をする。顔を大手術で直したネリーは夫ジョニー(ロナルド・ツェア

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岸富美子・石井妙子著『満映とわたし』(文藝春秋社)を読んだ。満州事変後に満州国が作られ、その地で国策映画会社・満州映画協会「満映」が誕生した。関東大震災時に大杉栄と伊籐野枝と大杉の甥を虐殺した甘粕正彦が君臨し、李香蘭が女優として花開いた満映

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安保法案が3月17日に参議院特別委員会で強行採決(18日参議院本会議で強行採決か?)という状況で、水島朝穂著『ライブ講義・徹底分析!集団的自衛権』(岩波書店)を読んだ。憲法学者水島朝穂氏の「集団自衛権・徹底分析」で実に興味深かった。この本は

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三浦展著『格差固定/下流社会10年後調査から見える実態』(光文社)を読んだ。著者が2005年に出した『下流社会/新たな階層集団の出現』(光文社新書)はその後の「下流社会」論の深化に大きな役割を果たしたが、今回のこの本は「それから10年たった

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「フリーダ・カーロの遺品」(小谷忠典)を見た。写真家石内都がメキシコの画家フリーダ・カーロの遺品を撮る映画だ。石内都については、広島の被爆者の遺品(衣服等)を撮った映画「ひろしま/石内都・遺されたもの」(リンダ・ホーグランド)があるが、いず

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保阪正康著『安倍首相の「歴史観」を問う』(講談社)を読んだ。昭和史の実証的研究の蓄積をもとに集団的自衛権の閣議決定による容認、安保法制の強行と突き進む安倍首相の諸施策は、太平洋戦争で日本を破局に陥れたかっての軍事指導者と酷似していると批判し

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保阪正康著『あの戦争は何だったのか/大人のための歴史教科書』(新潮新書)を読んだ。太平洋戦争を旧日本軍のメカニズム、開戦に至るまでのターニングポイント、快進撃から泥沼へ、敗戦へー「負け方」の研究、八月一五日は「終戦記念日」ではないー戦後の日

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想田和弘著『カメラを持て、町に出よう/「観察映画」論』(集英社)を読んだ。想田さんは台本やナレーション、BGM等を廃した「観察映画」と呼ぶドキュメンタリーの手法を提唱し、実践している映画監督だ。その想田さんが東京の映画美学校で行った講義を再

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スウェーデン映画「さよなら、人類」(原題「生存を熟考する枝の上の鳩」、ロイ・アンダーソン)を見た。面白グッズを売り歩くサムとヨナンが現代のドンキホーテとサンチョ・パンサのように、さまざまな人生を目撃する。36のシーンが破天荒に続く。昨年のヴ

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アメリカ映画「ヴィンセントが教えてくれたこと」(セオドア・メルフィ)見た。不良独居老人のヴィンセント(ビル・マーレイ)の隣に母子が引っ越してきた。祖父ほど歳の離れたヴィンセントと少年との出会いの物語で楽しめる映画だった。少年オリバーに新人の

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半藤一利著『老骨の悠々閑々』(ポプラ社)を読んだ。私が半藤利一の著書(戦争と平和の関わる日本の現代史の本がおもしろい。)に興味を持ったのは、そう昔ではなく、ここ数年のことである。この本は本屋で手に取って購入した。昭和の文学・文化・風俗を綴っ

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中川李枝子著『子どもはみんな問題児』(新潮社)を読んだ。妻が入院中のため、色々と考え事があり、真夜中に目が覚めて、NHKラジオ放送の「深夜便」でこの本の著者中川李枝子さんのインタビューを聞いた。「あ!絵本『ぐりとぐら』『いやいやえん』の著者

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岡崎勝著『センセイは見た!「教育改革」の正体』(青土社)を読んだ。私は公立小学校教員と中学校教員の経験があり、小学校の現場からの「教育改革」批判については名古屋の岡崎さん、中学校のそれについては横浜の赤田圭亮さんの書かれるものを「指標」とし

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吉良智子著『女性画家たちの戦争』(平凡社新書)を読んだ。第二次世界大戦中、女性画家集団「女流美術家奉公隊」に拠り、女性画家たちは戦争(主に「銃後」のそれ)を描いた。その数々の作品を分析した大変興味深い本だった。なお、そのなかに戦後も活躍した

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深澤裕著『深やんの学校シッセキ簿』(横校労叢書)を読んだ。深澤さんは横浜市の中学校教員で(2014年定年退職)、鋭利でそしてユーモアある中学校現場の教育実態と勤務実態の報告を独立系組合である横浜学校労働者組合の機関誌「横校労」の第404号(

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関千枝子著『ヒロシマの少年少女たち/原爆、靖国、朝鮮半島出身者』(彩流社)を著者より送っていただき、一気に読んだ。関さんには『広島第二県女二年西組/原爆で死んだ級友たち』(ちくま文庫)があり、安倍靖国参拝違憲訴訟(東京)の原告である。私は関

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中田整一著『ドクター・ハック/日本の運命を二度にぎった男』(平凡社)を読んだ。「ナチスと日本を結びつけた十字架を背負い、日米間の終戦工作を担ったドイツ人スパイ。女優・原節子誕生にも立ち会った、その謎に満ちた生涯」と本の帯にある興味深いノンフ

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高槻「タチソ」戦跡保存の会編(写真:橋本学)『消えていく戦争 70年目タチソ』(東方出版)を読んだ。「タチソ」は戦争末期、本土決戦遂行のために日本各地で掘られたトンネル群のひとつだ。高槻市の北部、成合の地に作られた地下トンネル群は戦後70年

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昨年の夏に「毎日新聞」に連載された中澤晶子作・ささめやゆき絵『3+6の夏/ひろしま、あの子はだあれ』(汐文社)がすてきな絵本になった。中澤さんに送っていただいたので、すぐ読んだ。新聞連載の時に熱中して読んだが、こうして本になるとさらに印象深

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「日本のいちばん長い日」(原田眞人)を見たけれど、これはひどい!天皇の「聖断」と「天皇」(木本雅弘)を家長とする「鈴木貫太郎首相」と阿南惟幾陸相(役所広司)との「家族」のドラマとして描いた「日本のいちばん長い日」だった。アレクサンドル・ソク

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佐高信著『お笑い公明党 トンデモ創価学会』(七つ森書館)を読んだ。安倍自民党政権と連立与党を組む公明党、そのバックの創価学会の徹底的批判の書である。連立政権下の公明党、創価学会は最近の特定機密保護法、集団的自衛権の容認と安保法制へと戦争ので

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関千枝子著『広島第二県女二年西組/原爆で死んだ級友たち』(ちくま文庫)読んだ。この本には次のような記憶がある。2010年6月10日の朝、『広島第二県女二年西組』を持っているんではないかと、現職時代に広島・長崎の修学旅行で集めた本と資料の山を

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アルゼンチン映画「人生スイッチ」(クミアン・ジフロン)を見た。原題は「RELATOS SALVAJES」(荒涼とした物語、野生の物語、英語題名は「WILD TALES」)監督はアルゼンチンで定評のある監督で、制作はペドロ・アルモドバルとくるからおもしろくないはずは

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「野火」(塚本晋也)を見た。大岡昇平原作の『野火』の映画化は、1949年に市川崑監督、船越英二主演の「野火」として作られている。「鉄男」等で知られる塚本晋也作品はそのリメークである。今回の作品で「塚本は煩雑な人間関係を思い切って単純化し、人

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松元ヒロ・佐高信の対談『安倍政権を笑い倒す』(角川新書)読んだ。松元ヒロは「いま最もシャープなお笑い芸人」(佐高信の「はじめに」)である。元「ザ・ニュースペーパー」、現在はピン芸人(グループを組まず、ひとりで活動する芸人)。私は独立組合系組

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