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日記一覧

プリーモ・レーヴィ/・マルコ・ベルボリーティ編/多木陽介訳『プリーモ・レーヴィは語る/言葉・記憶・希望』(青土社)を読んだ。プリーモ・レーヴィはアウシュヴィッツからの生還者で、戦後、その体験の表現者であった人だ。この本はプリーモ・レーヴィへ

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私の知人、相可文代著『「ヒロポン」と「特攻」/女学生が包んだ「覚醒剤入りチョコレート」』(私家版)を読んだ。この冊子にはさらにサブタイトルが<梅田和子さんの戦争体験からの考察>とあるように大阪府高槻市在住の梅田和子さん(90歳)からの戦争体

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方方著(飯塚容・渡辺新一訳)『武漢日記/封鎖下60日の魂の記録』(河出書房新社)を読んだ。昨年1月〜3月、新コロナウイルス発生の地・武漢のロックダウン60日日間の記録である。武漢の新型コロナウイルス感染者は公式発表によると5万人あまり、死者

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「ファーザー」(フロリアン・ゼレール)見た。イギリスとフランスの合作映画。監督はフランス人。主演は「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンスで83歳になっている。痴呆症のアンソニーと父を介護する娘のアン(オリヴィア・コールマン)との関係が病状

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赤澤史朗著『靖国神社/せめぎあう<戦没者追悼>のゆくえ』(岩波書店、2005年)を読んだ。この本を読もうと思ったのは次のような訳だった。先月初めに頼まれて大阪の15年戦争研究会で「1950年代の靖国神社遺児参拝」について報告した。報告後の質

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原稿書きに忙しかったので、読書が止まっていたが、一山越えたので1冊読み上げた。花田庚彦著『西成で生きる/この街に生きる14人の素顔』(彩図社)で大阪の西成に住む14人の人々をルポした本だ。なかなか意欲的だが、若干対象に流される所も感じた。い

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「ミナリ」(リー・アイザック・チョン)を見た。今年のアカデミー賞助演女優賞を韓国のユン・ヨジョンが受賞。韓国からアメリカのアーカンソー州に農業移民した家族の苦闘を描く。主人公夫婦も韓国人俳優。監督はアメリカ人。おもしろい組み合わせだ。映画の

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今年のアカデミー賞の監督賞・作品賞・主演女優賞を受賞した「ノマドランド」(クロエ・ジャオ)を見てきた。緊急事態宣言下で京阪神で単館のシネコンがたった1館だけやっていた。車上生活を送る高齢労働者を描いた作品だが、たしか15歳の時に(とテレビの

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「ヒロシマへの誓い/サーロー節子とともに」(スーザン・ストリックラー)を見た。緊急事態宣言が明日から実施されるので、映画館が閉鎖される。それで十三まで急いで見に行き、ぎりぎりセーフ。見て寄り道をせず、まっすぐ帰った。映画の最初は私のなかに核

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田中伸尚さんの新刊本『憲法を生きる人びと』(緑風出版)を読んだ。憲法を生き、闘っている10人の市民を鮮やかに描いた物語だ。(以下、本の表紙裏の文章に市民の名前を入れた)その人たちは、海の汚染に立ち向かい(川口祐二)、食の安全を求め(森山幸代

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21ブリッジ」(ブライアン・カーク)を見た。新コロナ感染者数激増、第4波に入ったようで、大阪・京都の映画館に出るのは避けて、近場のシネコンにした。本当はドイツ映画「水を抱く女」(カンヌ映画祭受賞)が見たかったのだが。「ブラック・パンサー」の

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ブレイディみかこ著『ザ・レフト UK左翼セレブ列伝』(日販アイ・ビー・エス株式会社、2014年)を読んだ。12人の英国人セレブ(Mrビーン、映画監督ケン・ローチやダニー・ボイル、元ハッピー・マンデーズのベズ、元スミスのモリッシー、ビリー・ブラ

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毎年4月出る雑誌「現代思想」の教育特集である『現代思想 4月号』(特集・教育の分岐点)が出た。私はいつも楽しみに待っている本だ。いつものようにまず読んだのが、元中学教員で現在は大学教員の赤田圭亮さんの「コロナ禍の学校から「GIGAスクール構

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浜矩子著『”スカノミクス”に蝕まれる日本経済』(青春新書)を読んだ。菅総理大臣が選出された時、新聞で浜さんが、菅首相の経済政策を”スカノミクス”と評されていたのを見て、「うまいネーミング」だなと感心した。その”スカノミクス”批判を全面展開し

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山中恒著『昔ガヨカッタハズガナイ/ボクラ少国民のトラウマ』(勁草書房、2011年)を読んだ。1993年の初版本に1点の増補をしたものだ。「ボクラ少国民」シリーズの作業を終わった著者が、戦時下の被少国民体験を問い続け、あの時代の気分が充満する

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続いてブレイディみかこ著『女たちのテロル』(岩波書店)を読んだ。朴烈とともに大逆罪を適用された金子文子、女性参政権を求めて戦ったイギリスのサフラジェットであるエミリー・デイヴィソン、スコットランド生まれの革命家で、1916年のアイルランドの

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ブレイディみかこ著『花の命はノー・フューチャー』(ちくま文庫)を読んだ。この本は図書館から借りたもので、ブレイディみかこの初期作品で、以前から読んでみたいと思っていた。文庫本では、半分以上が増補、書き下ろしで、楽しめる。丁度、書かねばならな

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 山中恒を読んでいる。山中恒著『戦中教育の裏窓/子どもが<少国民>といわれたころ』(勁草書房、1979年)を読んだ。この本は40年前に買ったもので、読まずに置いていた。この本が発行された頃、山中恒の<少国民シリーズ>が刊行されていて、注目し

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新コロナの患者数が少し減ってきたので(油断できないが)、久しぶりに京都に出て、イタリア映画「ワン・モア・ライフ!」(ダニエーレ・ルケッティ、原題は「Momenti di Trascurable Felicida」取るにたりない幸福の瞬間)を見た。勝って気ままに生きてきた

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山中恒著『戦時児童文学論/小川未明、浜田広介、坪田譲治に沿って』(大月書店、2010年)を読んだ。この本は10年前に買ったものだ。現在、山中恒の「少国民シリーズ」、「少国民ノート」(後者は先日入手)を参照し始めた関係上、この本を取り出して読

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山中恒著『教えの庭に/ボクラ少国民外伝』(辺境社、1995年)を読んだ。山中恒は1931年生まれだから90歳になる。戦前の尋常小学校、国民学校、旧制中学校、敗戦、新制高校と教育課程の進行と日本の戦争体制の進行とが重なりあった時代を生きた。こ

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一ノ瀬俊也著『東條英機/「独裁者」を演じた男』(文春新書)を読んだ。著者の本は、私が戦後の靖国遺児参拝について調べ始めた時、唯一の先行研究で、参考にした関係上、そのアジア太平洋戦争関係のものはあらかた読んでいる。今回の『東條英機』は「 本書

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松竹メロドラマの系譜の4回目。本日で見るのは終了。特集上映はまだ続いているが。「風の視線」(川頭義郎、1963年)を見た。松本清張原作で、清張自身がカメオ出演していると知り、見ようと思った。清張の演技はなかなかはまっていた。前半は清張原作の

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「すばらしき世界」(西川和美)を見た。西川監督は社会派の是枝裕和監督のスタッフだった人で、テレビで是枝監督を「師匠」と読んでいたので、近くのシネコンまで走った。この監督の映画は「ディアドクター」があることは知っていたが、1本も見てなかった。

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山中恒著『ボクラ少国民と戦争応援歌』(クリエイティブ21,1997年)を読んだ。先に書いたように友人が中古品で入手し、送ってくれた本だ。僕は1970年代は小学校の教員をしていたが、当時山中恒の児童よみもの作品が人気で(『あばれはっちゃく』『

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メロドラマの系譜の3回目だ。「死者との結婚」(高橋治、1960)を見た。松竹ヌーベルバーグの嚆矢となったサスペンスドラマ。夜の瀬戸内を行く一双の船。海難事故で女同志が入れ変わる。主人公は小山明子と渡辺文雄。後に大島渚の「少年」等で欠けてはな

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藤原和樹著『朝鮮戦争を戦った日本人』(NHK出版)を読んだ。朝鮮戦争に日本人が参戦し、死者も出ていた秘せられた事実を執拗に究明したドキュメントである。(NHKスペシャルで放映されたものを書きあらためたものだ。)アメリカ軍の極秘尋問記録で明ら

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「集金旅行」(中村登、1957年)を見た。急死した家主にかわり男女(佐田啓二、岡田茉莉子)が家賃の取り立てに出かけるロードムービー。行く先は岩国、山口、萩、徳島など。観光映画の嚆矢かも。メロドラマのパロディ。原作は井伏鱒二でユーモアあふれる

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「帰郷」(大庭秀雄、1950年)を見た。大阪の九条にあるシネ・ヌーボは市民が作った映画館で、私は株主で、株主の友人もらった招待券も含めて今月中に使わねばならない。丁度「松竹メロドラマの系譜」という特集をやっており、コロナ禍であるが、出かける

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ブレイディみかこ著『子どもたちの階級闘争/ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)を読んだ。この本は去年の夏頃に図書館で予約した本で、忘れた頃にまわってきた。さてブレイディみかこの本は何冊読んだかとチェックしたら、7冊目だった。

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