mixiユーザー(id:24322169)

2015年09月22日06:58

500 view

book『「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦』(半藤一利)

半藤一利著『「昭和天皇実録」にみる開戦と終戦』(岩波ブックレット)を読んだ。著者は、最近再映画化された『日本のいちばん長い日』をはじめ,『聖断』、『昭和史』などで,昭和の歴史,そして太平洋戦争をめぐる検証を進めてきた。その半藤が「昭和天皇実録」を「開戦と終戦をいつ天皇が決断したか」に絞って解き明かした本だった。内容は半藤がこれまでしてきた仕事に「実録」に記述を重ねて、論証したものだが、以下の「実録」に対する問題点の指摘は「さすがだな!」と思った。昭和16年(1941年)11月5日の御前会議に関して、「『実録』はこの冒頭の説明をすべて省筆している。その奇妙さを解くカギは、『実録』の編纂者たちが、昭和天皇が戦前と戦後を通して平和主義と国際協調を信条とした人物であることを描きだそうとしているゆえにある、と思わされるのであるが、どうであろうか。」この「資料批判」の視点が本の各所にみられ、興味深かった。この後、保阪正康など他の著者の「昭和天皇実録」に関する本を読んでみようと思う。

<目次>
はじめに――『昭和天皇実録』について
第一話 開戦――四つの「御前会議」
第二話 終戦――万世の為に太平を開く
おわりに――歴史を学ぶということ
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する