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日記一覧

せっかくの鈴木清順特集だから、もう1本見ておこうと思い、「けんかえれじい」(鈴木清順)を見た。以前に見た時の記憶があいまいだった所がはっきりした。主人公キロク(高橋英樹)は旧制の岡山の中学校から会津の中学校へ(それも会津では辺境である喜多方

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イラン映画「人生タクシー」(ジャファル・パナヒ)を見た。ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したことと監督がタクシー運転手に扮して撮った映画ぐらいの予備知識しかなくて見たので、見てびっくり、見当違いだったことを反省させられた。イランの表現弾圧体

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石原俊著『群島と大学/冷戦ガラパゴスを超えて』(共和国)読んだ。著者は歴史社会学者で、「その狭い意味でのフィールドは、北西太平洋に浮かぶ小さな島々である小笠原諸島や硫黄列島と、そこから離散した人々の住む場所です。」「グローバリゼーションと植

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シネ・ヌーボで2月に亡くなった鈴木清順の特集をやっていて、清順が日活を馘首される原因となった「殺しの烙印」(1967年、宍戸錠主演、敵対する殺しやNo.1に名脇役南原宏治)を見た。清順の映画は日活時代の分は特集上映ですでにほぼ見ている。フリーに

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小熊秀雄著『小熊秀雄童話集』(創風社)読んだ。詩人小熊秀雄は詩以外に童話も書いている。著名なのは死後(戦後)出た絵本『焼かれた魚』だが、この『童話集』に収められた18作品はどれも想像力が豊かで、貧困と弱者を見つめ、抑圧に屈せず、抵抗の意思が

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町山智浩著『映画と本の意外な関係』(集英社インターナショナル新書)読んだ。私は町山智浩さんの文章が大変好きで、「週間文春」連載「言霊USA」は行きつけの喫茶店で毎週楽しみに読んでいて、単行本になったら必ず買って再読している。この本は映画と本

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村田沙耶香『しろいろの街の、その骨の体温の』(朝日新聞出版)読んだ。主人公である結佳の小学校4年から始まり、中学校2年で終わる現在の少女と少年たちの世界が描かれていた。この本のタイトル「しろいろの街の、その骨の体温の」はニュータウンの閉塞し

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「文学界 6月号」が「島尾敏雄・ミホ/神話を超えて」を特集していて、その特集のみ読んだ。私はあまり小説を読まないが、不思議なことに若い頃に『死の棘』を読んでいて、この特集が目に入った。梯久美子と三浦しをん(僕の好きな小説家!)の対談「『書き

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ドイツ映画「僕とカミンスキーの旅」(ヴォルフガング・ベッカー)を見た。あの「グッバイ、レーニン」の監督が作った12年ぶりの長編映画だ。「グッバイ・レーニン」の主人公だったダニエル・ブリュルが無名の美術評論家で、盲目の画家マヌエル・カミンスキ

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村田沙耶香著『殺人出産』(講談社)を読んだ。中編1本、短編2本、ショート1本からなっている。「殺人出産」は殺人出産制度が導入された時代の話で、「生み人」として10人の子供を出産(人工授精で出産、10年以上の入院)したら殺したい相手を合法的に

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イタリア映画「海は燃えている/イタリア最南端の小さい島」(ジャンフランコ・ロロージ)を見た。イタリア最南端の小さい島であるランペドゥーサ島に近年北アフリカから難民がたくさん押し寄せてくる。難民船の悲惨な実態と少年の目からとらえた島の日常、二

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図書館の新着本コーナーにあった川島真著『中国のフロンティア/揺れ動く境界から考える』(岩波新書)を読んだ。現代の中国の海外進出について、現地踏査もして考察した非常に興味深い本だった。今年の3月刊の新書本だったので、案外早く図書館に入るのだと

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