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日記一覧

堀川惠子著『原爆供養塔/忘れられた遺骨の70年』(文藝春秋)を読んだ。堀川さんの本は、「死刑」に関わる『死刑の基準』『裁かれた命』『永山則夫』『教誨師』と読んでいて、その深い叙述に感銘を受けてきた。先日、この本を梅田の本屋で見つけた時、「お

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高橋源一郎著『ぼくらの民主主義なんだぜ』(朝日新書)を読んだ。この本は東日本大震災直後から朝日新聞に月1回連載が続いてきた「論壇時評」の4年分をまとめたものだ。私は高橋さんの「論壇時評」を愛読してきたが、こうしてまとめて読むと、震災直後に変

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原田マハ著『ジヴェルニーの食卓』(集英社)を読んだ。中編の4編である。「うつくしい墓」はマチスの「光あふれる」絵の制作とその人柄を当時家政婦だった老女マリアが語る。晩年のマチスは車椅子でだったが、精力的にロックフェラー礼拝堂の薔薇窓のための

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原田マハ著『モダン』(文藝春秋)を読んだ。ニューヨーク近代美術館(MOMA)を舞台とする5つの物語だった。「中断された展覧会の記憶」は、ワイエスの「クリスティナ−の世界」がニューヨークから福島県立美術館に貸し出されている最中に3・11東北大

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原田マハ著『あなたは、誰かの大切な人』(講談社)を読んだ。原田マハはラジオの朗読(NHK「ラジオ文芸館」)で知った。その朗読作品は「無用の人」だった。「無用の人」が入っているのが、この『あなたは、誰かの大切な人』。6編の短編が所収されている

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高橋源一郎著『デビュー作を書くための超「小説」教室』(河出書房新社)を読んだ。こんなおもしろい本はなかなかない。僕はたまにしか小説を読まないし、詩となると特にそうだ。その僕がおもしろかったのだから、小説好きの方には特におもしろい本だと思う。

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町山智浩著『マリファナも銃もバカもOKな国/言霊USA2015』(文藝春秋)を読んだ。町山智浩はアメリカ在住の映画評論家で、アメリカから送る映画批評、社会批評がとってもおもしろくて、私は「週刊文春」連載の「町山智浩の言霊USA」を愛読してお

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『永続戦後論』の白井聡さんとオランダ生まれのジャーナリストで日本通のカレル・ヴァン・ウォルフレンさんとの対談『偽りの戦後日本』(KADOKAWA)を読んだ。白井さんの対談本は、内田樹さんとの対談『日本戦後史論』(徳間書店)、笠井潔さんとの対談本『日

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「マミー」(グザヴィエ・ドラン)を見た。カナダ映画で監督は25歳の俊英だ。2015年の架空のカナダで、発達障害児の親が経済的、身体的、精神的危機に陥った場合、法的手続きを経ずに養育を放棄し、施設に強制入院させる権利を保障したSー14法が通る

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続いて目取真俊著『水滴』(文藝春秋)を読んだ。目取真さんの講演は聞いたことがあり、政治評論の文章は読んでいるが、小説ははじめてだった。ある日、主人公の右足が腫れて水があふれ出た。夜な夜なそれを飲みにくる死んだ兵士たち。沖縄を舞台に過去と現在

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宮内勝典著『海亀通信』(岩波書店)を読んだ。この本と次に感想を書く2冊は、私の通っているスペイン語講座を開設しているアジア図書館で借りた本だ。丁度スペイン語教室がある部屋が沖縄関係の本を置いてあり、目についた本だ。宮内勝典の本については、ど

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