五木寛之「百寺巡礼」第三巻京都�機々崔娘卻幻法，鬟屮奪�オフで見つけたので買ってきた。だいぶ前になるが、テレビ朝日の日曜日にシリーズでの放映を楽しみに見ていたので、再び本でと思ったのだ。
まず、「浄瑠璃寺」を見たのは、昔、５０年以上前に見学で行ったことがあるからだった。寺だけでなく、周囲に多い石仏群も紹介されている。昔行った時は、そんなところまでは回らなかった。
その中で、泉涙暮（いずみるいぼ）という昭和２０年に２９歳で亡くなった地元加茂町の歌人の石碑があった。「父母に呼ばれて仮に客に来て心おきなく帰るふる里」 これを作者は「実家に遊びに来て、こころおきなく田舎の空気を満喫している、その歓びを歌にしたのだろう」というのだが、嘘だろう。
解釈は読者の自由ではあるが、その解釈では「仮に客に来て」と「帰る古ふる里」とが同じ場所になる。それに「仮」がいかにも仏教的なのだ。
と思ってネットで調べると、ここに来る人たちの中には、この碑に注目している人もいて、やはり宗教歌で、この世に産んでもらって客に来たが、極楽浄土といういつでも帰れる故郷があるという意味だった。
そのはずだ。五木には宗教書も多いのにどうしたことか。
で歌の作者の本名は、あるホームページによれば鳥井弥作という人だとのことだが、当然男になるが、別のホームページでは女だとなっていた。そして、明治維新の志士雲井龍雄作の説があるとのこと。どうなっていると、さらに調べると、沢庵説があった（結縄集にあるとのこと）。「たらちねによばれて仮の客に来てこころのこさずかえる古里」
本にあると言うのだから沢庵が正しいのだと思う。多分、泉涙暮のノートにあったものを関係者が本人作と勘違いしてしまったのだろう。
やれやれ。それに少し不満なのは五木の本には「吉祥天女」が紹介されていないことだった。こちらが目玉でないのか？ この福々しいお顔。写真はネットから。
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