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2021年11月25日08:51

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皇位継承17〜憲法第14条1項との関係

●憲法の規定上の問題(続き)

#憲法第14条1項との関係
 次に、憲法第14条1項の問題に移る。今回の有識者会議のヒアリングでは、21人のうち半数以上が男系男子を堅持するための旧宮家の皇籍復帰に賛成を表わした。だが、旧宮家の皇籍復帰の実現に関しては、第14条第1項が関係するという見解がある。
 第14条1項は、次の通り。
 「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的関係において、差別されない」
 男系男子による安定的な皇位継承を実現するうえで、最大の課題は憲法のこの規定に関わる問題になる。女系継承容認派の神道学者・高森明勅氏は「ゴーセン道場」 2021.5.15付けで次のように述べている。

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旧宮家案は憲法が禁じる「門地による差別」という決定的な指摘
 5月10日に開催された皇位の安定継承を目指す有識者会議の第4回会合。
 “憲法上の検討”を中心課題としたので、他の回とは異なる重要性を持つ。
 そこで、現在の憲法学界を代表する2人の学者(京都大学名誉教授の大石眞氏、東京大学教授の宍戸常寿氏)が、「旧宮家案」(更に旧宮家に限らず、皇族ではない皇統に属する男系の男子に広く皇籍取得を可能にする案)に対し、揃って憲法が禁じる「門地(もんち)による差別」に当たるとして、憲法違反の疑いがあることを指摘された。この事実は重大だ。
 参考までに、それぞれが提出された「説明資料」から、関連箇所の一部を掲げておく。
 「(上記の案は)一般国民の間における平等原則に対して『門地』などに基づく例外を設け、『皇族』という継続的な特例的地位を認めようとするものである。そうすると…憲法上の疑念があると言わざるを得ない」(大石眞氏)
 「法律(皇室典範)等で、養子たりうる資格を皇統に属する(皇族ではない)男系男子に限定するならば…一般国民の中での門地による差別に該当するおそれがある。さらに、仮に旧11宮家の男系男子に限定する場合には、皇統に属する(皇族ではない)男系男子の中での差別に該当するという問題も生じる」
 「内親王・女王との婚姻を通じた皇族との身分関係の設定によらず、一般国民である男系の男子を皇族とする制度を設けることは…門地による差別として憲法上の疑義があると考える」(宍戸常寿氏)
 念の為に、憲法の該当条文を引用すると、以下の通り。
 「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的関係において、差別されない」(第14条第1項)
 「国民平等」の原則を定めた条文だ。この例外は唯一、憲法第1章に基づいて国民とは立場を異にする、天皇・皇族“のみ”。
 皇統に属する男系の男子は旧宮家系に限らず、国民の中に多くいる。しかし、皇族でない以上、この条文自体が改正されない限り(たやすく改正されるとは考え難いが)、例外扱いは許されない。
 なお、「門地」とは一般に「家柄。家格」(『明鏡国語辞典〔第2版〕』)のこと。
 憲法の注釈書には以下のように説明している。
 「『門地』とは『うまれ』あるいは『家柄』の意味で、正確にいえば、出生によって決定される社会的な地位または条件をいう」(宮澤俊義氏、コンメンタール)と。
 旧宮家系男性(あるいは、広く皇族ではない男系の男子)の場合、まさにこれに該当する。
 政府が密かに、旧宮家案を早々と現実的な選択肢から除外した最大の理由は、実はこの点にあったのかも知れない。
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 この意見に対して私見を述べると、解決法としては根本的には、憲法を改正することである。敗戦後、占領下に臣籍降下を余儀なくされた旧皇族の男系男子孫に限って皇籍復帰を可能にする。憲法第14条第1項に、特例として加筆する。
 憲法第2条に定める「皇位の世襲」は、第14条1項に定める「法の下の平等」の例外である。また、皇室典範は、第1条で皇位継承資格を「皇統に属する男系の男子」に限定しており、女系天皇及び女性天皇を排除しているが、これも憲法第14条1項に違反しない。それゆえ、旧皇族の男系男子孫に限って皇籍復帰を可能にする特例を憲法第14条第1項に加筆することは、法理的に可能である。
 この改正までの間の方策は、二つ考えられる。(1)皇室典範を改正し、皇族の養子を可能にし、その資格は皇統に属する男系男子に限定しないこととする。(実際は旧皇族の男系男子孫に対象が絞られよう)(2)内親王・女王と旧皇族の男系男子孫の婚姻を実現する。
 わが国は、憲法を守って国が滅ぶか、憲法を変えて国を守るかの瀬戸際にある。この状況は、別稿に書いた国家安全保障の問題に限らない。国家の中心をなす皇位継承の問題においても同様である。日本を守るために、今こそ憲法を改正しなければならない。

 次回に続く。

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