時代小説の映画化で、時代劇と探偵ミステリを融合させたような異色作『木挽町のあだ討ち』を見てきました。ルビッチの大傑作『生きるべきか死ぬべきか』にも似ていて面白かったです。
【物語】
江戸時代。木挽町の芝居小屋の近くで、若い男が博徒の男を斬り殺すという事件が起こる。事件は「殺された父の敵討ち」として江戸中の評判となる。
それから1年半後、ある浪人(柄本佑)が芝居小屋を訪ねてくる。浪人は、あだ討ちのことを当時の関係者に聞いて回るのだが…。
…柄本佑が素浪人でありながら推理力の高い探偵侍を好演。人懐っこい笑顔で事件の関係者の間を歩き回り、事件の核心に迫っていくのが映画の前半。後半は、事件の顛末と真相が描かれます。三谷幸喜版「オリエント急行殺人事件」のような構成です。
謎解きをする後半がちょっとモタつくのだけれど、演者が面白いので飽きさせません。
芝居小屋の長のような立ち位置で、劇作家の渡辺謙、芝居の殺陣が専門のもと武士に滝藤賢一、特殊メイクと小道具のプロに正名僕蔵、芝居小屋の呼び込み役の瀬戸康史など。そして、忘れてはいけないのが北村一輝で、この役についてはちょっと書けませんが、いつもの役柄と違っていてなかなか良いです。
椎名林檎のジャジーな主題歌も、映画の世界観とちゃんとシンクロしていて良かった。
芝居や娯楽の力で体制に立ち向かう市井の人びとというのは、どこの国でもいつの世でも映画の題材として魅力があるようです。★★★★。
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