死角のない映画監督、ポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『ワン・バトル・アフター・アナザー』を見てきました。
『インヒアレント・ヴァイス』(2014)に続き、トーマス・ピンチョンの小説に基づく映画です。
【物語】
アメリカの移民収容施設からの移民解放を行う革命グループで、爆弾専門のパット(レオナルド・ディカプリオ)とパーフィディア(テヤナ・テイラー)が知り合う。やがてパーフィディアは女の子を出産するも、ロックジョー警部(ショーン・ペン)の追撃に遭う。
それから15年後。成長した女の子はウィラ(チェイス・インフィニティ)と名乗って高校へ通い、父パットと暮らしていた。そこへ再びロックジョーの追跡の手が及び、ウィラは逮捕されてしまう。
…まず驚くのは画像のシャープさ。これはIMAXで見るべき映画でした。
35ミリフィルムとビスタビジョン・カメラで撮影された映像は、隅から隅までクリアーで、類のない臨場感があります。音響もまた然り(ジョニー・グリーンウッドのスコアが大爆音で鳴り響く!)。
一方、映像と音楽に対して登場人物のみすぼらしさよ。主に男(笑)。
酒とタバコとドラッグにおぼれる元革命家=ディカプリオはヨレヨレで頼りなく、追跡する警部=ショーン・ペンは変態的な白人至上主義者。ディカプリオに手を貸すカラテ家のベニチオ・デル・トロ(センセイ!)の道場には日本版『スーパーマン』のポスターが。
対して女はみんな強くてたくましい。
ディカプリオの娘で女子高生役のチェイス・インフィニティは、革命家の娘らしく、格闘も射撃もできて、父ディカプリオよりもエッジの効いた娘。その母で、裏切り者のレッテルを貼られた武闘派の女革命家=テヤナ・テイラーは、出番は少なくても存在感抜群です。
アメリカの移民問題を背景に、過激な白人至上主義やら権威主義やらを煮詰めまくって料理したポール・トーマス・アンダーソン監督(P.T.A)の、これは快作です。上映時間162分は長くない。
IMAXで見たかった!★★★★。
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