寡作で知られるテレンス・マリック監督の長編デビュー作にして、日本では未公開のままだった『バッドランズ(地獄の逃避行)』が本邦初公開されました。
この映画、どういう訳かすっかり見ていた気になっていて、開巻早々、初見に気づいて驚いてしまった。NHKか、ソフトで見たつもりだったのですが…。
1973(昭和48)年、ワーナー・ブラザーズ。ビスタ・サイズ、95分の作品です。
【物語】
1950年代、アメリカの田舎。清掃員のキット(マーティン・シーン)は、15才の少女ホリー(シシー・スペイセク)をナンパし、付き合うことに。しかしホリーの父(ウォーレン・オーツ)はそれを許さず、激高したキットは父を射殺してしまう。
気の向くままにクルマで逃避行を続ける2人。キットは出会う人びとを次々に射殺し、やがて警察の包囲網が2人に迫る。
…”ボニーとクライド”のごとく、無計画・無軌道な2人の逃走劇は長続きはせず、悲劇で終わります。それなのになぜか爽快感のあるラストを迎えるのは、撮影の美しさと、マーティン・シーンの透明感ある演技のためか。健気についてくる少女=シシー・スペイセクも決して美女ではなく、本当にアメリカの片田舎にいそうな普通の少女なのがいい。
このあと、次回作『天国の日々』まで5年も間があくテレンス・マリックの演出は、デビュー作にして達観したようなところもあり、見ていて無駄がないのに驚かされます。
撮影監督のひとりがタク・フジモト。『羊たちの沈黙』と似た空気感を感じたのそのためか。
エンド・クレジットで、special thanksにアービン・カーシュナー監督の名前がありました。この職人監督もテレンス・マリックの師匠であったか。
★★★。
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