ふだんTVドラマをほとんど見ない自分が見ている数少ないドラマ、「孤独のグルメ」の映画化作『劇映画 孤独のグルメ』を見て来ました。
原作もドラマも好きなので、期待と不安が半分ずつでしたが、これには満足です。
集大成と言って良い出来でした。
【物語】
井之頭五郎(松重豊)は、かつての恋人・小雪の娘(杏)と、その祖父(塩見三省)の依頼でパリに来ていた。祖父の頼みである「子どものころ母が作ってくれたスープをまた飲みたい」という願いを叶えるため、断片的な祖父の記憶を頼りに、五島列島に渡った五郎。スープの原料を探す五郎だったが、離島に渡る途中、嵐で遭難してしまう。
…監督は井之頭五郎=松重豊本人で、これが初監督です(脚本も執筆)。
TVドラマの長い歴史の中で、初期を知るスタッフが少しずつ減り、映画とTVのスタッフの橋渡しをするために自身で監督することになったとか(パンフレットより)。
俳優の初監督作には不安が付きまとうものですが、今回は”吉”と出ました。
ドラマの良さを壊さず、原作のエッセンスも取り入れるという難題を、この松重監督は見事にバランスよく描き切ったと思います。
元よりこのドラマ、演劇的な見せ場を排除し、「ただ飯を食う男を丁寧に描く」ことが最大の魅力だった訳で、そんな題材で映画になるのか懸念があったのは間違いなし。実際、完成した映画では、多少の人間ドラマはあっても主題は「飯を食う男」である点がブレてないのが成功点でした。
パリ、五島列島、韓国、東京と、多彩なロケ地があっても、その主題はまったくブレてません。
原作とはやや違う、でも原作の良さは損なわず、魅力ある井之頭五郎像を作り上げた松重豊とスタッフの努力は、映画として見事に結実しました。★★★★。
ちなみに、ドラマがお好きな方にはパンフレット購入をお勧めします。
全話放送リストや、映画に登場する料理のレシピなども掲載され、資料的価値高し。
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