今年のアカデミー賞を席捲した衝撃作『関心領域』を見て来ました。
噂に違わず凄い映画でした。
製作にはA24も加わっています。
イギリス=アメリカ=ポーランドの合作映画です。
【物語】
第二次大戦中、ドイツ占領下のポーランド、アウシュヴィッツ。
後に悪名高まる強制収容所のすぐとなりに、収容所所長の一家が暮らしていた。
所長のルドルフ・ヘス中佐(クリスティアン・フリーデル)と妻(ザンドラ・ヒュラー)、そして子供たちが住む屋敷にはプールや温室もあり、使用人も雇っていた。
やがて中佐には転属の命令が下るが、幸せな暮らしを手放したくない。中佐は、ヒムラーに宛てて嘆願書を書く。
…ドラマチックな演出は徹底して排除し、定点観測カメラによるドキュメンタリーのような視線が冷徹極まる作品です。
一見すると幸福の絶頂にあるような家族が、あのアウシュヴィッツの収容所所長の一家であり、その暮らしはいまの私たちと何らの変りもないというのが一番衝撃的。楽しく美しい暮らしの一方では、銃声や絶叫が絶えることなく小さく聞こえてくる。焼却炉から降り注ぐ灰とともに。
異常な日常と隣り合わせの平和は、戦地から遠く離れても瞬時に情報が入ってくるわが国の状況とも変わらず、そこに『関心領域』というタイトルの重さがのしかかります。
この映画はアカデミー賞の音響賞を受賞しており、受賞の理由は見れば明らかでした。
一家の暮らす邸宅の庭の花や、プールで遊ぶ子供たちがクローズアップされても、その背景には必ず収容所からの叫び声が小さくかぶさる恐ろしさ。卓越した音響演出が異常な日常を浮き彫りにしております。
★★★★。
今年高く評価されたもう1本、『落下の解剖学』にも主演していたザンドラ・ヒュラーが本作にも出演しているのも注目です。
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