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2024年01月17日05:39

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フィクションと現実(47) 大正ロマンから昭和モダンへ

 辛亥革命で清朝が倒れ、更に軍閥軍、毛沢東共産軍と蒋介石軍の内戦、満州族の清の皇帝を満州の故地に戻して関東軍が支える体制となった(1912年大正元年辛亥革命)。
 第一次大戦(1914―1918)のあと、国際連盟が結成され、日本が常任理事国となったこと大平洋の西半分は日本が国際連盟から信託統治を委託された。

 ということで日本は好景気となり1930年の世界大恐慌まで大正ロマンと言われる時代となった。
 大恐慌への対策として、アメリカではセオドア・ルーズベルト大統領によるニー・ディール(積極的な財政投融資、テネシー渓谷電源開発事業TVA)を、日本では犬養内閣の高橋是清蔵相による積極財政(要するに最初のケインズ政策)で回復した。
 で、この後を昭和モダンの時代というのだが、今では連続していたと考えられている。

 1920年代 モボ・モガ(モダンボーイ・モダンガール)
 作家 永井荷風、谷崎潤一郎、江戸川乱歩、尾崎翠「第七官界彷徨」1931年
 ナンセンス作家の中村正常(中村メイコの父)、横光利一、今東光、川端康成、吉行エイスケ(吉行淳之介の父)など。
 画家 竹久夢二
 俳優 榎本健一
 歌手では佐藤千夜子「東京行進曲」昔恋しい銀座の柳・・・
 その後、朝ドラの笠置しず子のブギウギ。
 浅草オペラなどで新興芸術派が太平洋戦争の始まるまで活躍した。
 また、カフェー、銀座、軽井沢などの風俗や保養地、登山も盛んになった。
 
 産業ではダットサンなど自動車産業が始まる。
 鉄道沿線開発では阪急電鉄などが宝塚劇場や甲子園を開場(甲子園球場の開場は大正13年)(阪神間モダニズムというとのことで、谷崎潤一郎が芦屋で書いた「細雪」もモダンだった)。
 関東では東武鉄道による田園調布の開発があった。
 (今のテーマと関係ないが、古代の税制である租庸調の中の布をみつぐだから、古代からの布の産地だったのか? 似た例として広島県に御調みつぎ町がある)

 ということで、大正時代から昭和戦前までモダンな時代だった。まったく軍国的ではな かったわけで、アジアを植民地にした大英帝国の打倒などと北一輝の社会主義にかぶれた 革新将校のクーデターをジャーナリズムが持ち上げて「軍国」にしてしまったとしか思えない。
 マルクス主義歴史家は帝国主義国間の戦争を必然と見ていたが、米英との戦争を煽ったのはソ連のスパイのゾルゲだけではなかったに違いない。元々、北一輝もそうだったし。
だから、戦後が終わった昭和30年からモダンの時代が再開したのだろう。
 戦前を理想とした三島由紀夫は誤解していたのだろう。実際はモダンでバブルで浮かれていた面もあった。


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