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2024年01月12日18:26

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フィクションと現実(44) 「シルエット・ロマンス」

 「シルエット・ロマンス」とは、キャラクター・グッズ販売会社のサンリオが「ハーレクイン・ロマンス」に対抗して1981年から刊行した翻訳恋愛小説集(原著は米シルエット(Silhouette)社)のことで、1985年にはハーレクイン社に併合された。現在は休止とのことで本屋で見かけることはない。
 この宣伝用として来生えつ子作詞・来生たかお作曲・大橋純子歌唱が発売された。
「恋する女は夢見たがりの いつもヒロイン つかの間の
鏡に向ってアイペンシルの色を並べて 迷うだけ
窓辺の憂い顔は 装う女心 茜色のシルエット

 ああ あなたに恋心盗まれて
もっとロマンス 私に仕掛けてきて
ああ あなたに恋模様染められて
もっとロマンス ときめきを止めないで」

 で、大元は「ハーレクイン(harlequin)」なのだが、これはヨーロッパ中世からある道化師のことで、ピエロ、アルレッキーノ、アルルカンなどと同じ。
 いつでも・どこでも同じようなストーリーで演じられるらしいが、ピエロのアルレッキーノが、富豪の召使コロンビーヌに恋をしているのだが、必ず邪魔が入って悲恋に終わるというパターンである。
 これが舞台だけでなく、影絵芝居にもなっているので、「シルエット・ロマンス」と称して売り出したのだろう。

 私は、昔、これが本屋に並んでいるのを見ていたが読んだことはない。
ただ、アルレッキーノとコロンビーヌのことは知っていた。アンデルセンのショートショート集のような「絵のない絵本」(毎夜、月が語るという形式で、挿絵がある)の中の一話に、この二人の話があったので。

 ただし、このような背景は蛇足で、コマーシャル・ソングであろうと来生姉弟の歌が傑作で、二人の代表作の一つだというのが大事なことである。
似たような例としては「フニクリ・フニクラ」1880年 がある。ヴェスビオス火山(昔、ポンペイを火山灰に埋めてしまったが、今は全部でないのだろうが発掘された部分が有名である)に登山用のケーブルカー(イタリア語でフニコラーレ)が敷設された時の宣伝ソングとのこと。
 「フニクリ・フニクラ」とは「フニコラーレ」の愛称だとのこと。


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