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2023年06月22日17:42

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浮世の謎(106) 京都コンプレックスの件

 読売新聞の文化爛に、作家の白岩 玄の「京都の威をかる狐」を自覚していると言う趣旨のエッセイが掲載されていた。
 出身を聞かれて、京都です。市内です。と答えると感心してくれる。
 しかし自身に京都らしい内容もないのにと言う自覚があるので、ブランド負けで気持ちが良くない。
 ただし、今は妻の実家のある愛知県の田舎に住んでいるので、子供たちは「何もない田舎に住んでいます」と答えることになる。
 子どもに「お父さん。京都生まれなの。かっこいいね」などと言われたらどうしようと悩んでいるとのこと。

 私海風は京都生まれだが、勤務先の関係で京都を離れた後は地方の中小都市に住むことになった。京都にいた時は、京都が良いなどと思った事もないし、寺や神社など観光地巡りをしたこともないので、近所にある清水寺や八坂神社に産寧坂、繁華街の四条河原町以外は名前や場所しか分からない。
 それでも京都を舞台にした小説などは気になる。
 森見登美彦「夜は短し歩けよ乙女」2006年 は銀閣寺あたりに下宿している学生が、片思いをしている女学生の幻影を追って市内をあちこち彷徨う小説。題名はゴンドラの歌「命短し恋せよ乙女」のもじりだが、彼女も市内を彷徨うばかりで、振り返ってはくれない。
 テレビドラマでは「科捜研の女」は京都市内や市外で起きる犯罪捜査をするので、どのあたりかは見当が付く。
 川端康成「古都」では、「二人のロッテ」の片割れと祇園祭の宵山で出くわしている。一方は呉服屋だったか? お嬢様で、もう一人は北山杉の里の村娘だった。

 ということで、私海風も京都をのぞき見している程度しか知らないので、白岩氏の気持ちはよく分かったのである。

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