フィリップ・ノイス監督の新作スリラー『デスパレート・ラン』を見て来ました。
古くはヒッチコック『救命艇』、近作では『サーチ』『ギルティ』などの作品がある、場所や空間を限定した形のシチュエーション・スリラーです。
【物語】
事故で夫を亡くして1年が経つ、シングルマザーのエイミー(ナオミ・ワッツ)。
小学生の娘を学校に送り出し、不登校気味の高校生の息子を起こすと、森へジョギングに出かけたエイミーは、スマートフォンに入った緊急連絡で、息子の高校で立てこもり事件が起きたことを知る。
すぐに駆け付けたいエイミーだったが、人通りのない山中で、息子の携帯もつながらない。
焦るエイミーに、現場の刑事からかかってきた電話が意外なことを知らせる。
…84分というコンパクトな上映時間のほとんどが、森の中の主人公=ナオミ・ワッツのひとり芝居で占めるという野心作です。事件発生前の何気ない電話での会話に、その後の展開の伏線が張られていて、クライマックスに向けて結実していくのが面白いです。
ただ、かつて『パトリオット・ゲーム』や『今そこにある危機』を撮ったフィリップ・ノイスの監督作にしては小粒でヒネリがなく、ストレートに撮っている点には好感も持てるのですが、「この監督の割には…」という不足感もあります。
銃社会に警鐘を鳴らすような社会的なメッセージの方が強い印象を受けるので、監督の狙いとしては、サスペンスよりもそちらの方にあったのかもしれません。
★★★。
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