今年のアカデミー賞の有力候補であり、ベネチア映画祭では主演のケイト・ブランシェットが女優賞を獲得した『TAR/ター』を見て来ました。
【物語】
ベルリン・フィル初の女性首席指揮者であり、作曲家としても名高いリディア・ター(ケイト・ブランシェット)。マーラーの交響曲第5番のライブ録音という大仕事を控え、神経質になるリディアだったが、かつての教え子から告発されてしまう。
やがて事態は思わぬ方向へ展開していく。
…ケイト・ブランシェットの繊細で大胆な演技に酔いしれる、狂気に満ちた2時間40分でした。まるでドキュメンタリー映画を見ているようなカメラワークで、主人公リディア・ターを実在の人物と錯覚してしまうほどの生々しさが鮮烈です。
これから控える大仕事のため、あらゆる知覚が敏感になっているプロフェッショナルが、小さな不協和音の積み重ねで狂気を孕んでいく怖さときたら。当代きっての大女優、ケイト・ブランシェットの一世一代の名演です。
出番は少ないですが、マーク・ストロングの俗物指揮者、過去の栄光にしがみつくオーケストラの理事=ジュリアン・グローバー(『007/ユア・アイズ・オンリー』のヴィラン!)も印象的です。
音と音楽が重要な要素の作品なので、なるべく最新スペックの劇場での鑑賞がお勧めです。★★★。
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