〜〜〜〜〜〜〜〜〜 細川一彦著作集(CD)のご案内 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
拙著『人類を導く日本精神』の付属CDに、「ほそかわ・かずひこの<オピ
ニオン・サイト」のデータを収納しました。その後、2年9か月ほどの間に、
新たな掲示や一部修正を多く行いました。
そこで、本年4月12日時点のデータを<確定版>としたCD−Rを作り
ました。今後このサイトが閉鎖・消滅した後も、資料としてご利用いただけ
ます。単行本にすると約30冊分になります。
1枚400円です。枚数に限りがあります。申し込み期間は1か月限定
(5月27日まで)です。
申し込みを希望する方には、詳細をお伝えします。下記にご連絡下さい。
fhoso@m8.dion.ne.jp
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■日本の心111〜日露戦争は帝国主義的侵略だった?
日露戦争は、日本による「帝国主義的侵略戦争」だった、というのが試験のための決まり文句のようですが、果たしてその見方は正しいのでしょうか。
21世紀における現在から20世紀を振り返ってみると、20世紀とは、数世紀にわたる白人の支配から、有色人種が自由と独立を勝ち取った世紀でした。日露戦争での日本の勝利は、夜明けの到来を告げる鶏鳴でした。そこで有色人種が白人を初めて打ち負かしたことは、抑圧された人々に希望の火を灯したのです。
新興国日本にとって日清・日露戦争は国運を賭けた戦いでした。わが国は、東アジアの安定のために、まず日清戦争で大国シナと矛を交えました。千年以上もの間、文明の源と仰いできたシナに勝つことができたのです。その結果、日本とシナの地位は逆転しました。かつては遣隋使・遣唐使を送っていた日本に、シナから日本に留学生が来るようにもなりました。日本文明のほうが、シナ文明に影響を与える関係になったのです。
日清戦争の勝利は、強国ロシアとの戦いを余儀なくするものでした。幕末以来、北から迫ってくるロシアは、日本の独立を脅かす最大の脅威でした。
日本がロシアに勝つと、世界は驚嘆しました。中国の国父・孫文は、有名な「大アジア主義」という講演で、次のように語りました。「どうしてもアジアは、ヨーロッパに抵抗できず、ヨーロッパの圧迫からぬけだすことができず、永久にヨーロッパの奴隷にならなければならないと考えたのです。(中略)ところが、日本人がロシア人に勝ったのです。ヨーロッパに対してアジア民族が勝利したのは最近数百年の間にこれがはじめてでした。この戦争の影響がすぐ全アジアにつたわりますとアジアの全民族は、大きな驚きと喜びを感じ、とても大きな希望を抱いたのであります」
インドの初代首相ジャワ八ルラル・ネルーは、自伝に次のように記しています。「日本の戦捷(せんしょう)は私の熱狂を沸き立たせ、新しいニュースを見るため毎日、新聞を待ち焦がれた。(略)五月の末に近い頃、私たちはロンドンに着いた。途中、ドーヴァーからの汽車の中で対馬沖で日本の大勝利の記事を読み耽りながら、私はとても上機嫌であった」
こうした感激と興奮は、アメリカの黒人たちにも広がりました。「日露戦争当時、黒人新聞各紙は、西洋帝国主義の重圧に苦しむ日本人を『アジアの黒人』と呼び、白人に挑む東郷艦隊を声援したり、一部の黒人社会では驚くことに、日本ブームが起きて、日本の茶器や着物も流行。さらには、黒人野球チームの中から、『ジャップ』を自称するチームも出ていたという」
当時、「ジャップ」という言葉は、侮蔑語ではありませんでした。
ロシアに侵略・支配されてきた国々でも同様です。フィンランドの大統領パーシキピは、次のように記しています。「私の学生時代、日本がロシアの艦隊を攻撃したという最初のニュースが到着した時、友人が私の部屋に飛ぴ込んできた。彼はすばらしいニュースを持ってきたのだ。彼は身ぶり手ぶりをもってロシア艦隊がどのように攻撃されたかを熱狂的に話して聞かせた。フィンランド国民は満足し、また胸をときめかして、戦のなりゆきを追い、そして多くのことを期待した」
ポーランドでは、日露戦争で活躍した乃木希典や東郷平八郎は、英雄でした。初代国連大使・加瀬俊一氏は、ポーランドのある教会に立ち寄った時のことを伝えています。「傍らに、小さい男の子が来てね。それで私は、『君の名前はなんていうの』って聞くと、『ノギ』って言うの。『えっ。ノギ?』。すると神父さんが言うんです。『ノギ』というのは乃木大将のノギですよ。ノギとかトーゴーとかこの辺はたくさんいましてね。ノギ集まれ、トーゴー集まれっていったらこの教会からはみだしますよ」
日露戦争における日本の勝利は、有色人種や被抑圧民族を奮い立たせ、独立への情熱を駆り立てました。15世紀以来の西洋白人種の優位を、初めて有色人種が打ち砕いたのです。西洋近代文明の世界支配体制は崩れ始めました。日露戦争は、世界史を西から東へと動かす、歴史的な出来事だったのです。
参考資料
・名越ニ荒之助著『世界に生きる日本の心』(展転社)
・レジナルド・カーニー著『20世紀の日本人 アメリカ黒人の日本人観 1900〜1945』(五月書房)
・加瀬俊一著『大東亜会議とバンドン会議』(『祖国と青年』平成6年9月号 日本青年協議会)
次回に続く。
************* 著書のご案内 ****************
『人類を導く日本精神〜新しい文明への飛躍』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/cc682724c63c58d608c99ea4ddca44e0
『超宗教の時代の宗教概論』(星雲社)
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/d4dac1aadbac9b22a290a449a4adb3a1
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