大島渚監督のATG映画『少年』がAmazon Primeのラインナップに入っていたので、見ました。この映画、実話が基になっているというのが衝撃的です。
昭和44(1969)年、カラー・シネマスコープです。
【物語】
傷痍軍人の父、その後妻である母、小さな弟と暮らす少年は、車にぶつかって示談金をせしめる当たり屋であった。身元がばれるのを恐れて、2〜3件の示談金を得ると、他の地に移ってまた仕事をするのである。ぶつかり役は母と少年であった。
四国から会津、秋田、そして北海道へと仕事の場を移していく少年と家族であったが、警察も徐々に一家の存在に気づいていく。
…当たり屋の仕事を求めて北上を続ける、これは異色のロードムービーです。高度経済成長の裏側に位置する地方都市を舞台に、激しい格差社会の到来も見え隠れします。物語は事件の露呈と両親の逮捕で幕を閉じますが、それがそのまま経済成長の終わりを告げるようにも見えます。
俳優ではない、養護施設にいた少年を主役に据えるという点だけでも実験的。ロケーション効果もあって、描写はかなり生々しいです。
カラー作品ですが、時おりフイルムを染色したかのような色彩になります。そこだけ幻想的で、カラーに戻ると厳しい現実が待ち受けているように見えました。
★★★。
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