『オリエント急行殺人事件』(2017)に続き、ケネス・ブラナーが監督・主演を務めた『ナイル殺人事件』をIMAXで見て来ました。ブラナー自身が名探偵ポワロを演じています。
アガサ・クリスティの原作としては2度目の映画化作。
前回は1978年のジョン・ギラーミン監督、ピーター・ユスチノフ=ポワロによる大作で、この映画が好き過ぎるため、どうしてもリメイク版は辛口評価になってしまいます。
しかし前作『オリエント急行〜』よりも出来は良く、78年版をも凌ぐ要素もありました。
【物語】
1937年。大富豪の娘リネット(ガル・ガドット)は、無一文の青年サイモン(アーミー・ハマー)と結婚し、世間を驚かせる。新婚旅行でエジプトを訪れる2人の前に、リネットの親友で、サイモンのもと婚約者だったジャッキー(エマ・マッキー)が現れ、不安を募らせるリネット。
2人はナイル川を下る豪華クルーズ船に乗り込むが、やがて惨劇が起きる。乗客の一人だった名探偵エルキュール・ポワロ(ケネス・ブラナー)の推理が始まる。
…以下、物語の内容に触れる記述があります。ご注意ください…
原作と比べても仕方ないので、78年版と比べると、大きな違いがいくつかあります。
・リネットの”血文字”のくだりがない。
・78年版のサロメ・オッタボーンは作家だったが、今回の映画では歌手に。
また、彼女は殺されない。
・『オリエント急行〜』でも登場したポワロの友人ブークが再登場する。
かわりに78年版のレイス大佐はいない。
・第一次大戦下で兵士だったポワロの過去が描かれる。
後味があまり良くないという点では、かのデビッド・スーシェによるTV版に近い感じです。
その代わりにというか、78年版を凌いでいたのは、65ミリフイルムで撮影された圧巻の映像。ピラミッドやスフィンクス、ナイル川の雄大な風景はIMAX必須で、スペクタクルな楽しみがありました(ほとんどCGなのでしょうが…)。
自己陶酔型の監督兼俳優であるケネス・ブラナーのポワロは、前作よりも角が取れ、柔和な表情を見せています。しかし劇中である人物が殺されるに及び、激高する、意外な姿も見せています。かつてのピーター・ユスチノフや、デビッド・スーシェの名探偵ポワロをこよなく愛する者としては、両手を挙げての賛同という訳にはいきませんでした。
★★★。ケネス・ブラナーは『ベルファスト』の方に期待かなあ。
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