ジョン・ル・カレの処女作をシドニー・ルメットが映画化したスパイ・スリラー、『死者にかかってきた電話』を見ました。
WOWOW放送版の録画を持っていますが、廉価版DVDを入手しての再鑑賞。
豪華なスタッフ・キャスト、メジャー・スタジオの作品にも関わらず本邦未公開の作品です。
1967(昭和42)年、イギリス=アメリカ。コロムビア映画。
ビスタ・サイズです。
【物語】
ロンドン。
英国の政府高官が不審な自殺を遂げた。彼にはスパイの疑惑があり、死の直前に事情聴取を行っていたMI5のチャールズ・ドブス(ジェームズ・メイスン)は、再調査を命じられる。
変わり者だが腕利きのメンデル警部(ハリー・アンドリュース)の協力を得て調査を進めるチャールズ。死んだ高官の夫人(シモーヌ・シニョレ)は非協力的で、何かを隠しているらしい。
そんな折、妻アン(ハリエット・アンデルセン)が、戦時中の部下だったディーター(マクシミリアン・シェル)と不倫していることを知り、チャールズは動揺するが…。
…原作の主人公はル・カレお馴染みのジョージ・スマイリーですが、権利の関係からか別人に変更されたようです。頭脳戦に長けた初老のスパイという点ではジョージ・スマイリーと同じ。演じるジェームズ・メイスンは名優中の名優ですが、007全盛期の時代のスパイ映画で主人公を演じるには地味だったのかも。本邦未公開の理由はそのあたりにありそうです。
軍人役が多いイメージの名バイプレーヤー、ハリー・アンドリュースが主人公を助ける警部を好演。頭が良くて腕っぷしも強いのに、居眠りのクセがあるというキャラクターでした。
ほか、シモーヌ・シニョレにマクシミリアン・シェルという渋い顔ぶれ。もうマクシミリアン・シェルが出ている時点で黒幕が誰なのか検討がついてしまいます(笑)。
敵にも味方にも利用されて酷い目にあう自動車修理業の男=ロイ・キニア、見た顔と名前と思っていたら、ダニエル=ボンドの同僚ビル・タナー役のロリー・キニアのお父さんでした。
撮影は名匠フレディ・ヤング。つい先日見た『ギデオン』もこの人でした。
『ドクトル・ジバゴ』と『007は二度死ぬ』の間の仕事がこの映画だったようで、銀残しのような枯れた色調が映画によく似合っています。
★★★。
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