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2021年10月08日21:51

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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』総括

まだ公開が始まって1週間ではありますが、あの衝撃から早くも1週間過ぎたことに。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』を5回見て、ようやくある程度の整理がついたので、映画を見て思った細かいことをまとめてみようと思いました(あと2回見る予定)。


※ご注意!映画の内容に深く触れる記述があります※


(1)ユニヴァーサル・ロゴ
007シリーズ初のユニヴァーサル配給となった本作。MGMのロゴに続きユニヴァーサルの地球ロゴマークが出ますが、通常のより短いです。色も銀残しのような渋い色調に。

(2)ガン・バレル・シークエンス
続いてお馴染みのガン・バレルとなりますが、ダニエル=ボンドの作品がどれも変則的だった中では、旧来のシリーズに近い感じです。血が流れて来ませんが…。

(3)プレタイトル・シークエンスとボンドカー
少女時代のマドレーヌとサフィンのエピソードから、5年前(『スペクター』の直後と思われる)のボンドとマドレーヌ、そしてイタリア・マテーラでのアクションとなります。プレタイトルでは、高所を使ったアクションが多く、今回も橋の上からのジャンプがありました。
アストン・マーチンDB5の大活躍が巻頭から見られる贅沢さも特筆すべきかと。ロンドンではボンドのプライベート・カーとしてアストン・マーチンV8も登場。『007/リビング・デイライツ』以来の登場です。

(4)ビリー・アイリッシュの主題歌とタイトル・デザイン
『007/ゴールデンアイ』からのタイトル・デザイナー、ダニエル・クラインマンによるタイトル・デザイン(『007/慰めの報酬』を除く)。『007/ドクター・ノオ』調のドットをあしらった始まりから、ビリー・アイリッシュの主題歌が重なります。
ダニエル・クラインマンのタイトルは、描かれるモチーフが直球すぎてあまり好きではないのですが(『ゴールデンアイ』の倒されるレーニン像とか、『007/スペクター』でそのまんまのタコが出てくるとか…)、今回もサフィンの能面がストレートに登場。この点は、モーリス・ビンダー御大のセクシー路線の方がスタイリッシュ。
ビリー・アイリッシュの主題歌は、最初聞いた時は暗すぎてボンド映画向きではないと思いましたが、映像とシンクロすると途端にちゃんとボンド映画風の主題歌に聞こえるのが不思議。

(5)巨匠ハンス・ジマーの音楽
シリーズ初、現役巨匠のハンス・ジマーが音楽を手がけます。トーマス・ニューマンの手掛けた前2作がボンド映画らしくなく、印象も希薄だったのに対して、“ジェームズ・ボンドのテーマ”をモチーフに、ブラスの効いた重低音を響かせ、007らしいクラシックなスタイルの音楽を聴かせてくれました。

(6)女王陛下の007
ボンド映画好きならば、今回の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』が『女王陛下の007』に影響を受け、オマージュを捧げているのは一目瞭然です(『女王陛下〜』はキャリー・フクナガ監督が好きなボンド映画)。冒頭のマテーラで、ロンドンで会うMとボンドのシーン、そしてクライマックスでも、『女王陛下の007』でのジョン・バリーのスコアが流れます。極めつけはエンディング・テーマが同作の主題歌“愛はすべてを越え”であったこと。ルイ・アームストロングの歌う1969年作の主題歌がノーカットで流れます。これには驚き、嬉しくなりましたが、やはりこの曲は『女王陛下の007』だけのものとも思うので、複雑な想いもあります。

(7)ボンドガール
シリーズの歴史では珍しい、2作続けての同一ボンドガールの登場です。ボンドが複数の女性と寝ず、マドレーヌ=レア・セドゥ一筋なのも初めて。本作の最大のキーパーソンでしょう。
新“007”ことラシャーナ・リンチと、キューバのCIA局員パロマ=アナ・デ・アルマスの活躍は非常に良かった。本当の意味で、ボンドと肩を並べて戦えるキャラクターが初めて登場しました。今後も登場して欲しいキャラクターです。

(8)ブロフェルドとサフィン
本作の敵は2人。前作から続投のブロフェルド=クリストフ・ヴァルツと、スペクターを憎むサフィン=ラミ・マレックです。ブロフェルドはあっけなく退場してしまうので、メインのヴィランはサフィン。新時代のテクノロジーを駆使するヴィランですが、ちゃんとイアン・フレミングの原作に出てきてもおかしくないキャラクターなので安心。演じるラミ・マレックから滲み出る底知れぬ不気味さがあり、ブロフェルド以上の存在感です。

(9)M、マネーペニー、Q
『007/スカイフォール』から続投の面々です。中でもQ=ベン・ウィショーの活躍が際立っていました。日本製のエプロンを身につけ自宅で調理する姿まで見せてくれます。公に復帰できないボンドを自宅に泊めていたことも発覚。Qの家での2人の会話がどんなものだったのか、想像するのが可笑しい。

(10)ボンドのプライベート
ジャマイカで引退中のボンドの生活が描かれる本作(釣りをしながら悠々自適なのがボンドらしい)。ボンドの自宅が登場するのは『007/死ぬのは奴らだ』と『007/スカイフォール』(ただしこれは少年時代の家なので自宅とは異なる)、そして本作だけ。インテリアなど、演じるダニエル・クレイグの趣味も反映しているのか、興味深いシーンです。

(11)ボンドの子供と死
小説では、原作版『007は二度死ぬ』でのキッシー・鈴木との間に子供がいるという設定もありましたが、ボンドの子供が映像化されたのは本作が初。
そして本作の最大の衝撃は、直接的にではないものの、ジェームズ・ボンドの死が描かれるという点です。

…続いて、次回作への展望です。
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