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2021年06月22日10:10

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新型コロナウイルスの起源の徹底解明を3

 産経新聞6月20日付に「武漢研究所流出説を葬ろうとした人々」と題した村上政俊氏(国際政治学者)の記事が掲載された。
 村上氏は次のように書いている。
 「新型コロナウイルスの発生源は一体どこなのか。全世界に甚大な被害をもたらしているパンデミックの核心をめぐって、いま再び議論が高まりをみせている。きっかけの一つが、中国・武漢の中国科学院武漢ウイルス研究所からの流出の可能性について論じた英国生まれの科学ジャーナリスト、ニコラス・ウェイド氏の論考である。
 研究所からの流出説はトランプ米政権によっても唱えられていたが、多くの米国メディアは陰謀論としてまともに取り合おうとはしなかった。しかし、5月にウェイド論考が発表され、他にも科学を専門とする研究者やジャーナリストによる指摘が相次いだこともあり、にわかに研究所流出説が注目されるようになったのである。トランプ前大統領に批判的な現在のバイデン政権も情報機関への再調査を命じ、世界保健機関(WHO)総会では発生源についての再調査を求めた。研究所流出説をめぐるこの変化は、いったい何なのか」
 ニコラス・ウェイドは、世界的に有名な英国の作家兼ジャーナリストである。科学雑誌 Nature、Science、およびニューヨークタイムズの科学セクションのスタッフライターおよび編集者を務めてきた。数多くの本の著者であり、著書『宗教を生みだす本能』(NTT出版)は松岡正剛氏が千夜千冊で取り上げ、『人類のやっかいな遺産──遺伝子、人種、進化の歴史』(晶文社)などが世界的なベストセラーになっている。
 このウェイドが新型コロナウイルスの起源問題について書いた論文「COVIDの由来:手がかりを探る」(2021.4.21)の和訳が下記のサイトに掲載されている。
https://www.subculture.at/origin-of-covid-%E2%80%94-following-the-clues1/?fbclid=IwAR2KiNKQclh7APOJ-7zit8tTkyu3BGVC4ujhSllbk-ljhdS924-O3B-BThk
 結論部より引用する。
 「300万人もの死者を出したウイルスの起源について、もっともらしい説があれば、真剣に調査する価値があると考えるかもしれない。あるいは、ウイルスの起源にかかわらず、機能獲得型の研究を続けることの賢明さについても、検討する価値があるだろう。
 また、NIH(註 アメリカ国立衛生研究所)やNIAID(註 アメリカ国立アレルギー感染症研究所)が機能獲得型研究への資金提供をモラトリアム期間中に行っていることについても、調査が必要である。メディアが明らかに好奇心を失っているのはなぜだろうか。
 その理由の一つは、ウイルス学者たちの沈黙の掟である。科学記者は、政治記者とは異なり、情報源の動機に懐疑的になることはほとんどなく、自分の役割は科学者の知恵を一般大衆に伝えることだと考えている。そのため、情報源が協力してくれないと、彼らは途方に暮れてしまうのだ。
 もうひとつの理由は、メディアの多くが政治的に左に移動していることだろう。トランプ大統領が『ウイルスは武漢の研究所から流出した』と言ったため、編集者はその考えをほとんど信用しなかった。
 彼らはウイルス学者と一緒になって、ラボ・エスケープを否定可能な陰謀論とみなした。トランプ政権下では、『実験室流出の可能性は否定できない』という情報機関の見解を否定することに苦労しなかった。しかし、バイデン大統領の国家情報長官であるアブリル・ヘインズが同じことを言っても、彼女もほとんど無視された。
 これは、編集者が実験室流出のシナリオを支持すべきだったということではなく、その可能性を十分かつ公正に検討すべきだったということである。
 この1年間、家に閉じこもっていた世界中の人々は、メディアが提供する以上の答えを求めているかもしれない。おそらく、そのうちに一つは出てくるだろう。何しろ、自然発生説が一片の裏付けも得られないまま月日が経てば経つほど、その信憑性は薄れていくのだから。
 もしかしたら、国際的なウイルス学者のコミュニティは、偽りで利己的なガイドと見られるようになるかもしれない。
 武漢でパンデミックが発生したのは、武漢の研究室が安全でない環境で危険度MAXの新型ウイルスを作っていたことと関係があるのではないかという常識的な認識は、トランプが何を言っても真実であるはずがないというイデオロギー的な主張を最終的には覆すことができる」
 ウェイドは、新型コロナウイルスの起源について中国武漢の研究所からの流出の可能性を認め、調査・研究の必要性を主張している。流出説が正しいかどうかの判断はしていない。しかし、ウェイドの論文を読めば、人工説については、それを裏付ける専門家の論文が多数あり、また状況証拠が豊富であるのに対し、自然変異説については、それを裏付ける確かな研究はなく、また人工説を科学的に否定する証拠はないと、多くの読者は考えるのではないか。
 新型コロナウイルスの起源は、徹底的に解明されなければならない。この問題は、中国共産党の言うことを何の疑いもなく信じるか、科学的・合理的・実証的に物事を考えるかという人間としての基本的な態度に関わる事柄なのである。

 以後、随時掲載。

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