ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞し、今年のアカデミー賞でも作品賞最有力の1本『ノマドランド』を見て来ました。
旧20世紀FOX下のフォックス・サーチライト・ピクチャーズの作品で、ディズニー配給のアメリカ映画です(エンド・クレジット後にはブエナ・ビスタ・インターナショナルのロゴが出ました)。
【物語】
金融危機により企業が撤退したため、閉鎖されることになったネバダ州のある街。
代用教員をしていたファーン(フランシス・マクドーマンド)も家を失い、改造したバンで車中泊をしながら仕事を転々とする”ノマド”となる。
Amazonの仕分け作業や国立公園の清掃員として働きながら、全米各地をバンで旅するファーンは、不安を抱えながらも生き方を見つめ直していく。
…YouTubeには車中泊系なんていうジャンルがあり、自分もそのような動画を見ることが多いです。しかしこの映画で描かれている車中泊生活はそんな楽しげなものではなく、リアルに苛酷です。主人公役が実力派のフランシス・マクドーマンドなだけに、なおのこと説得力があります。Amazonやフードコートで働くシーンでは、実際の作業現場に通って技能を習得したようです。
よく”体当たり演技”などと言われる俳優が稀にいますが、この映画のマクドーマンドは凄いです。ふつう見せない所も全部見せるから、生活の苛酷さが際立つのでしょう。
このマクドーマンドと共演のデビッド・ストラザーン以外は、演じているのがほとんど素人の人たちというのも驚きです。
アジア系の女性監督クロエ・ジャオは、飾りっ気のない、嘘のない映像を作り出すことに成功しています。撮影も美しく、70年代のロードムービーのようです。
映画のモデルとなった”ノマド”の人たちが、コロナ禍の中、苛酷さが増しているであろう生活環境をどう耐えているのか、映画の外の世界も気になるところです。
★★★。
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