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2020年05月08日18:42

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ダシール・ハメット原作の楽しい探偵映画2本

DVD-BOX「怪奇と幻想の世界」には、怪奇とも幻想とも程遠いミステリー映画も収録されています。
ダシール・ハメットの原作を映画化し、6作も作られた、ニック&ノラ・チャールズの夫婦探偵シリーズです。このうち2作がBOXに収録されています(続く2作も来週でる別のDVD-BOXに収録予定)。

ユーモラスで楽しい探偵映画です。大いに気に入りました。2作続けて鑑賞です。

●第1作『影なき男』(1934年アメリカ・MGM)
実業家の変人ワイナント氏が失踪。しかも失踪中の氏には殺人容疑が。
心配になった娘のため、引退していた名探偵ニック・チャールズ(ウィリアム・パウエル)と好奇心旺盛な妻ノラ(マーナ・ロイ)が調査に乗り出す。

●第2作『夕陽特急』(1936年アメリカ・MGM)
前作での事件を解決し、再びマスコミの寵児となったニックとノラ夫妻。
ノラの親戚セルマの夫が何者かに射殺され、夫妻は再び調査に。

…ニール・サイモン脚本の探偵パロディ映画『名探偵登場』(1976)を先に見ていたため、この夫婦探偵のことは知っていました。こちらのパロディ版では、

(ニック・チャールズ)→リック・チャールストン:デビッド・ニーヴン
(ノラ・チャールズ)→ドーラ・チャールストン:マギー・スミス

となっていましたが、パロディとはいえ品のある2人の演技が原典へのオマージュを捧げていたことがようやく分かりました。

ウィリアム・パウエル演じるニックは、往年の名探偵。ノラとの結婚後は探偵業を引退していたのが、好奇心旺盛な妻のせいで事件に巻き込まれます。
常にマスコミや警察やうるさい親戚に囲まれ(時には過去に刑務所送りにした奴も。でもあまりニックを恨んでいる節がないのが面白い)、うんざりしつつも楽しんでいる様子。
酒を愛するダンディな紳士探偵で、パウエルのハマリ役だったようです。

若き美人妻のノラ役はマーナ・ロイ。夫の探偵ぶりが見たくて事件に首を突っ込んでしまうことに。ホームズとワトソンの関係とは異なり、あくまで夫と対等な関係を描いているのが、この時代にしては新鮮です。

1作目『影なき男』はアカデミー作品賞にノミネートされていますが、決してそんなに肩に力の入った映画ではなく、おしどり夫婦2人の会話も楽しい、ライトなコメディに近い感覚の作品。

2作目『夕陽特急』は、列車が舞台のミステリーかと思いきや、タイトルの列車は冒頭にちょっと登場するだけで関係なし。若き日のジェームズ・スチュアートが非常に重要な役で出て来ます(クレジットも上から3番目という大役)。アメリカの良心のような善人の役が多いジェームズ・スチュアートに、これは大変珍しい役でした。

どちらも面白く大満足です。★★★。
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