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2019年07月26日09:34

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MMTの主唱者ケルトンは、積極財政と消費増税不要を説く

 ニューヨーク州立大学教授のステファニー・ケルトン氏が来日した。7月16日に都内で講演を行い、注目を集めた。
 ケルトン氏は、現代貨幣理論(MMT: Modern Monetary Theory)の主唱者である。MMTは、独自の通貨発行権を持つ政府は、インフレにならない範囲で積極的な財政支出を利用すべきという理論である。自国通貨を発行できる政府は、紙幣を印刷すれば借金を返せるため、デフォルト(債務不履行)に陥ることはなく、財政赤字で国は破綻しないと説明するものである。国家の債務とは、見方を変えれば、国民の貯蓄であり、国債という形で持つ国民の資産であって、富の一部であると考える。
 ケルトン氏は、「日本が『失われた20年』といわれるのはインフレを極端に恐れたからだ」と述べ、「日本がデフレ脱却を確実にするには、財政支出の拡大が必要である」と主張している。国債発行によって生じる政府の財政赤字に関しては、「公的債務の大きさに惑わされるべきではない。(社会保障や公共事業などで)財政支出を増やすことで雇用や所得は上昇する」とし、アベノミクスについては、「あまりにも中央銀行(註 日銀)に依存することは支持しない。民間にお金を借りる意欲がなければ金利引き下げは役に立たない」と述べ、金融政策より財政政策の比重を高めるべきだという考えを示した。また、「消費増税の目的は消費支出を減らすことで、インフレを冷やすなら理にかなっている。だが、インフレ問題を抱えていない国にとっては意味がない」と述べている。
 わが国では、デフレの時は積極財政を行うべきと主張してきた経済理論家に、宍戸駿太郎氏、菊池英博氏、 田村秀男氏、三橋貴明氏らがいる。デフレ脱却には金融政策一本やりではなく、財政支出を組み合わせてこそ効果が上がるという考え方である。ケルトン氏が女性であり、また米国人ということで、マスメディアが活発に報道しているが、ケルトン氏の考え方は、基本的に先に揚げた人たちと同じものだと思う。財務省や日銀を厳しく批判してきたエコノミストを再評価すべきである。

★ロイターの記事
https://jp.reuters.com/arti…/japan-ctax-kelton-idJPKCN1UB0Q2
★各種報道のまとめ
https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20190718_kelton/

関連掲示
・拙稿「日本経済復活のシナリオ〜宍戸駿太郎氏1」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion13h.htm
・拙稿「経世済民のエコノミスト〜菊池英博氏」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion13i-2.htm
・拙稿「アベノミクス総仕上げのため、消費増税は中止すべし〜田村秀男氏」
https://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/2279e906546cc089a6890974b1fd58b0
・拙稿「デフレを脱却し、新しい文明へ〜三橋貴明氏」
http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion13f.htm
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