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2019年05月16日01:15

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ひとり公共事業映画祭 『甦える大地』

公共事業を描いた大作映画が好きで、我が家のホームシアターのライブラリには、それらの映画のミニコーナーがあり、ソフトが並んでいます。ラインナップは『黒部の太陽』『富士山頂』『超高層のあけぼの』『日本万国博』です。

そしてここに、見たかった映画『甦える大地』のDVDが加わりました。今までに見たことは無く、初見の映画です。

1971(昭和46)年、松竹映配。主演の石原裕次郎が製作も務めています。


【物語】
江戸時代から治水の難しさに苦しんできた、利根川流域の鹿島。
新進気鋭の茨城県知事・岩下(岡田英次)は、鹿島の地に一大工業地域を造成する計画を進めていたが、難工事が予測されることと、地域住民の反対が根強く、苦境に立たされていた。
知事の考えに共鳴し、工業地域の誘致に奔走する県職員の植松(石原裕次郎)も、賛成派から反対派に転じた町長(志村喬)の裏工作に苦しめられるが、建設省官僚の野田(三國連太郎)が味方についたことから、計画は一気に前進する。


…ちょっと前までは中学校社会の教科書にもあった「鹿島臨海工業地域」、その造成までを描いた大作映画です。現在は「関東内陸工業地域」の拡大の影響を受け、教科書から消えつつあるのが悲しいところ。

石原裕次郎が自ら製作した2本の超大作、『黒部の太陽』と『富士山頂』に比べるとスケールダウンの感覚が否めない作品でした。超大作には不向きな中村登を監督に据えたのも要因か。

スペクタクルな見せ場が少ない分、人間ドラマとしては濃厚でした。

開発に命をかける知事と職員コンビに岡田英次&石原裕次郎。理論派であっても押しに弱く、志村喬演じる町長の工作に翻弄させられますが、アクの強い中央官僚=三國連太郎が強引な後押しをし始め、工事とともに映画も進みます。

三國連太郎の、このパワフルな演技が映画の最大のスペクタクルです。

前2作と違って、工業地域完成後の問題点をも描いているのは意外でした。工場誘致に伴う社会の変化、町の変化を皮肉に描いている節があり、時節柄か高度成長の終わりが垣間見える、そんな世相も反映されています。

★★★。
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