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2019年03月01日16:11

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鋭さが無くたっていい 『グリーンブック』

先日のアカデミー賞で作品賞を受賞した映画『グリーンブック』を見て来ました。

「作品賞」という重い看板を背負うには不似合いな映画であるようにも見えましたが、土台にある人種差別の問題を、堅苦しくなり過ぎずに描いているという点を評価したいと思います。


【物語】
1962年。ニューヨークのナイトクラブで用心棒をしているトニー(ヴィゴ・モーテンセン)は、店が改装閉店をするため、職探しをしていた。そこへ、著名な黒人ピアニストであるドクター・シャーリー(マハーシャル・アリ)から運転手の仕事が舞い込む。面接は受けたものの、黒人の仕事であり、しかも人種差別の激しい南部でのコンサート・ツアーでの2か月もの演奏旅行への同行が仕事であると知って断ったトニーだったが、ドクターからの再度のオファーを受け、やむなく同意する。
対照的な2人の、2か月に渡る演奏旅行が始まる。


…監督が『メリーに首ったけ』『Mr.ダマー』のピーター・ファレリーというのが驚きです。スラップスティックで下品なコメディを撮る監督と思っていましたが、それは兄弟そろった時だけのようです。

行く先々で黒人差別の現実に直面するも、トニーの腕っぷしと口八丁の交渉術で乗り切るというのは爽快でした。現実の60年代アメリカ南部は、それほど甘くない世界だったとは思いますし、この映画に対する反発の発端になっているのも分かる気がしますが、これはリアルに現実世界を描いたタイプの映画ではありません。土台にあるのがエンターテインメントである以上、許容できる範囲と思います。

ガサツで食欲旺盛なトニー=ヴィゴ・モーテンセンと、孤独で闇を抱えたアーティスト=マハーシャル・アリのコンビは対照的で、見ていて面白かったです。トニーのフライドチキンの豪快な食べ方には笑ってしまいました。手についた油なんて全然気にしません。この陽と陰の対比から、しだいに双方が歩み寄ってゆく姿が良いです。

余談ですが、トニーのアパートの向いの映画館で上映されていたのが『アラビアのロレンス』でした。アカデミー作品賞受賞の重量級の超大作です。監督と製作陣の、どこかアカデミー賞への憧れがあったのかもしれません。

★★★★。
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