マカロニ製ホラーの巨匠、マリオ・バーヴァ監督によるSF映画『バンパイアの惑星』をDVDで見ました。この手のSFホラーを大量リリースしている神のようなレーベル、RUNコーポレーションから出た国内盤DVDです。
マリオ・バーヴァといえば、個人的ベスト3は『血塗られた墓標』『白い肌に狂う鞭』『血みどろの入り江』。いずれも映像の美学が感じられる残酷ゴシック・ホラーの傑作です。
そのバーヴァ監督が手掛けたSFが今回の作品。
大昔に国内でもVHSが出ており、存在を知っていた映画です。念願かなっての鑑賞となりました。
1965年のイタリア映画。日本未公開です(TV放映とイベント上映のみ)。
【物語】
宇宙船アルゴス号は、惑星アルファ9からの救難信号をキャッチし、接近するが、惑星からの謎のエネルギーにより不時着してしまう。すると乗組員たちは何かに取り付かれたように互いに襲い合い、互いに監視せざるを得なくなってしまう。
やがて、異星人の宇宙船の残骸を発見した乗組員たちは、惑星に潜む未知の生命体の存在を知るが…。
…『エイリアン』と似ているプロットとは聞いていましたが、実際に見てみると、それほどでもありません。かつて不時着した宇宙船の残骸と、身長3メートル長はあるという宇宙人の死骸が登場するので、それが『エイリアン』のスペースジョッキーを連想させるのは事実ですが。
とにかく低予算のため、俳優たちの涙ぐましい演技によって様々なものがカバーされています。
冒頭でアルゴス号が不時着するシーンでは、急上昇する重力を演技だけで表現(特撮は皆無)。敵の生命体も姿を持たない思念体のような存在なので、これまた俳優の演技だけで存在感を演出(しかも大して上手くはない)。
耽美で残酷なゴシック・ホラーを彩ってきた監督の才能は、あまり感じられませんでした。
ただテクニカラーによる撮影が美しいのと(DVDの画質も良好)、レターボックスとはいえビスタ・サイズのまま収録されていたことだけは拾い物です。
まあ見られたのでそれなりに満足。★★★。
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