mixiユーザー(id:525191)

2018年05月29日09:30

259 view

改憲16〜自民党の平成24年改正原案

4.自民党の過去の改正案とほそかわ私案(続き)

 私が上記の憲法改正私案を出した6年後、自民党は平成17年版を改訂した案を発表した。これが平成24年版の憲法改正原案である。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●自民党平成24年版憲法改正原案
 
第2章 安全保障

(平和主義)
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争を放棄し、武力による威嚇及び武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては用いない。
2 前項の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない。

(国防軍)
第九条の二 我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する。
2 国防軍は、前項の規定による任務を遂行する際は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。
3 国防軍は、第一項に規定する任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
4 前二項に定めるもののほか、国防軍の組織、統制及び機密の保持に関する事項は、法律で定める。
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。

(領土等の保全等)
第9条の三 国は、主権と独立を守るため、国民と協力して、領土、領海及び領空を保全し、その資源を確保しなければならない。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 上記の24年版では平成17年版にはなかった自衛権が明記された。また自衛軍が国防軍に変わった。軍務及び機密に関する裁判のために審判所を置くことが新たに盛られた。17年版の9条の二、三を一つにまとめた。そのうえで9条の三に領土等の保全等を定めたものとなっている。優れた案だと思う。ただし、私案の方が安全保障条項としての要素を網羅しており、より徹底した部分があると自分では思っている。
 自民党は平成24年の時点でこのようによく練り上げた案を作り上げていた。当時、自民党は、野党だったが、その年12月、安倍晋三総裁のもと衆議院総選挙で勝利し、政権に返り咲いた。ここに第2次安倍内閣が成立した。
 安倍首相は、自分の内閣において、自民党の立党以来の課題である憲法改正を実現することを最大の使命とし、改正への取り組みを行ってきている。
 だが、第2次安倍政権でも、憲法改正は容易に進んでいない。その間、中国・北朝鮮による我が国への軍事的脅威は増大する一方であり、安倍政権は現行憲法のもとでも可能な範囲で安全保障を強化する必要に迫られた。そこで行ったのが、安全保障法案の提出である。

 次回に続く。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する