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2018年05月09日09:32

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キリスト教43〜主日と礼拝、祝祭日

●主日と礼拝

 『創世記』は、神が6日間で天地と人間を創造し、7日目に休んだと記している。それに基づいて、ユダヤ教には安息日(シャバット)が設けられている。安息日は、神の恵みの業を思い起こすため、すべての労働を休む神聖な日とされる。金曜日の日没に始まり土曜日の日没に終わる。
 キリスト教では、この安息日の次の日の日曜日にイエスが復活したことから、これを特別の日としている。神の創造で言えば8日目である。イエスの復活により、彼の弟子たちは、イエスが救世主であることを認識したので、この日を旧約聖書に預言されていた神の日または主日であるとする。この日を休みとし、教会に集って礼拝することを基本とする。ユダヤ教では、安息日には、その主旨のもとに多くのタブーがあるが、キリスト教ではそうした戒律はない。
 主日を日曜日とも呼ぶようになったのは、正式には4世紀からである。それまでローマ帝国では、日曜日は太陽神の日だった。ローマ帝国がキリスト教を国教としたとき、キリスト教ではキリストを光とするところから、真の太陽はキリストであるとして、日曜日を主キリストの日としたのである。
 近代西洋文明の世界的な普及によって、多くの国が西暦(キリスト教暦)を取り入れ、日曜日を定休日とする慣例が広がっている。もとはキリスト教の主日であるので、非キリスト教圏では、これに従う必要はない。

●祝祭日

 キリスト教には、クリスマス(降誕祭)、イースター(復活祭)、ペンタコステ(聖霊降誕祭)等の祝祭日がある。
 イエスが生まれた日を祝うのが、クリスマスである。クリスマスは「キリストのミサ」を意味する。降誕祭と訳す。イエスの誕生日がいつだったかは、不明である。誕生日を12月25日としたのは、古代農耕社会で行われていた冬至の祭りに由来する。ローマ人は12月25日に「冬至の祭」を行っていた。キリスト教以前にローマ帝国で普及していた太陽神を祀るペルシアのミトラ教による。一日の長さが最も短くなる冬至は、太陽が最も弱った時点であり、その状態から一日の長さが回復していく。太陽が再び光と熱を取り戻す日である。いわば太陽が一度死に、復活する「死と再生」の時である。それが12月25日をキリスト降誕の日にした起源と見られる。354年にこの日と定められた。イエスの磔刑による死と復活と、太陽の衰弱と回復が、象徴的な意味において重なり合ったものである。
 東方正教会では、降誕祭の日を1月7日としている。また、プロテスタントの中には、クリスマスの行事や風習の起源は異教のものであって、キリスト教本来のものではないとして、これを認めない教派もある。
 キリスト教の最大の祝日は、クリスマスではなくイースターである。復活祭と訳す。イエスが磔刑に処されたのは金曜日で、復活したのは日曜日だった。そこでキリスト教会では、初期から日曜日を主の日とし、イエスの復活を記念する。この毎週の主日の上に、1年に一回、イエスの復活を祝う復活祭が盛大に祝われる。キリストの死という側面によりも、復活という喜びの側面が強調される。復活祭は、春分の後の最初の満月のあとの日曜日(イースター・サンデー)に行われる。年によって日付が変わる移動祝日である。西方では3月下旬から4月下旬の間になる。春の訪れを告げる祭りともなっている。ここにも農耕儀礼との集合が見られる。イエスという個人の死と復活と、農耕文化において重要な季節の変化が重ね合わされている。
 イースターの日に合わせて毎年日付が移動する平日の祝日に、主の昇天日とキリストの聖体日がある。前者はイースターから40日後の木曜日である。後者はイースター後の第8日曜日直後の木曜日である。
 イースターから50日後(5〜6月)には、ペンタコステが祝われる。聖霊降誕祭等と訳す。5〜6月に行われる。イエスの昇天後、使徒たちに聖霊または聖神が降ったことを記念する。キリスト教会の誕生日でもある。
 毎年11月1日の全聖徒の日は、墓参の日とされ、祝日にしている地域が多い。これらの他、聖人にちなんだ祝日などがある。

 次回に続く。
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