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2017年09月23日17:15

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完全オリジナルの意気込みを買いたい 『きみの声をとどけたい』

長編劇場アニメーション映画『きみの声をとどけたい』を見て来ました。

この映画、主要な登場人物の声優も新人、原作のない完全オリジナルという、今の邦画界においてはかなりの勝負に出た作品です。

良作でした。口コミでヒットすることを願います。


【物語】
神奈川、路面電車の走る海の街。
高校生のなぎさ(声:片平美那)は、雨宿りで立ち寄った無人の喫茶店にラジオの放送設備を見つけ、思い付きでDJのまねごとをしてみる。すると、偶然その放送を聞いていた少女・紫音からなぎさにメールが届く。
かつてこの喫茶店は、紫音の祖父が経営しており、紫音の母がDJとしてミニFMを放送していたのだった。祖父と母は交通事故にあい、祖父は亡くなり、母は12年間も意識不明の状態だった。
なぎさは友人たちを集めて、紫音の母に届くよう、ミニFMの放送を始める。


…スタジオジブリの活動停止に前後して、ユニークなオリジナル長編アニメは増えています。それでも有名な原作漫画があったり(『この世界の片隅で』)、俳優を声優として起用したり(『君の名は。』)、どこかTVで売りやすい要素はあるものですが、この映画は先述のごとく完全オリジナル。スター声優も出ていません。

しかし、それらの要素は映画の面白さとは別問題なので、よい脚本・よい演出・よい演技があれば名作たり得る訳です。この映画には、それらが揃っています。

将来の夢があったり、打ち込む部活がある友達の中で、主人公だけは行き先が見えないでいます。惰性のような日常の中でやりたいことを見つける主人公の輝きは、演じる新人声優・片平美那の初々しさと重なり、新鮮です。

主人公の友人の一人にかえでという少女が出て来ます。
所得層の高そうな(少なくとも中流以上の)登場人物の中で、この子だけがファミレスでアルバイトをしている。町の有力者の孫である幼馴染を目の敵にしており、直接の描写はなくても、生活に苦労してそうな匂いがする。こういう描き方も上手かった。

クライマックスにはファンタジーな甘さもあり、キャラクターデザインも個性的なので好きずきが分かれそうな作品でもあります。でもこの意気込みは大いに買いたいと思います。

★★★★。
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