オンデマンドDVDで3作品まとめ買いした英国製ホラー映画の最後の作品、『妖女ゴーゴン』を見ました。
ホラーの名門ハマー・フィルムの黄金期の代表作。国内DVD化は初となります。ずっと見たった映画でした。
1964(昭和39年)、ハマー・フィルム製作のコロムビア映画です。
【物語】
20世紀初頭のドイツ。古代ギリシアの怪物、ゴーゴン3姉妹のひとり、メゲーラが棲むという村。
村の宿屋の娘が謎の死を遂げ、彼女と付き合っていた画家の若者が首つり死体となって発見される。警察は画家による犯行と断定し、検視を担当したナマロフ博士(ピーター・カッシング)もこれに同意するが、画家の父であるハイツ教授は納得がいかず、独自に調査を始める。
やがてハイツ教授も不審な死を遂げ、もうひとりの息子ポール(リチャード・パスコ)が調査にやって来るが、怪物メゲーラの”影”を目撃したポールは病床に臥せってしまう。
そしてライプチヒ大学のマイスター教授(クリストファー・リー)が、教え子ポールの危機を察し、村を訪れる。
…テレンス・フィッシャー監督×ピーター・カッシング×クリストファー・リーといえば、『吸血鬼ドラキュラ』『フランケンシュタインの逆襲』…と、もう大傑作が続く黄金トリオです。どちらか単独の主演作だけでも『バスカヴィル家の犬』『ミイラの幽霊』『凶人ドラキュラ』があり、まるでこのジャンルの見本市です。
この映画では、カッシングとリーのいつもの立場が逆転し、悪=カッシング、善=リーという構図が面白い。特に”伯爵”リーは、ライプチヒ大学の異端の教授として、迫力を持って周囲を圧倒します(警察でさえひれ伏す力強さ)。
しかし何といっても、この映画の見どころは、怪物の見せ方が天才的にうまいテレンス・フィッシャー監督の演出力の高さです。怪物の正体を明かさず、不審な事象を立て続けに見せて恐怖感をあおり、クライマックスになだれ込むというのは、ホラー映画の常とう手段のようですが、並大抵の監督に成せる技ではありません。計算し尽くされた構図・照明・演出、そのどれか一つでも欠けては見せることができない。映画とは、総合芸術であることを、この作品から再認識させられます。
やるせないラストもいい。ヒロイン=バーバラ・シェリーの気品の高さ・美しさも絶品です。
★★★★。
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