今年のアカデミー賞でも多数部門でノミネートされた実録映画『LION/ライオン 25年目のただいま』を見て来ました。
壮絶な実話ドラマなのですが、映画は飾るところなく、音楽のドラマチックな盛り上げもなく、俳優の演技だけで静かにリアルに見せる演出が見事な作品です。
【物語】
1986年、インド。母・兄・妹と4人で貧しく暮らす5歳の少年サルー(サニー・パワール)。
ある日の夜、列車に乗って仕事を探しに行く兄について行ったサルーは、誤って回送列車に乗ってしまい、2000キロ近く離れた都会にひとり来てしまう。家や家族を探す当てもなく、施設に保護されたサルーは、オーストラリアからの養子縁組を受け入れ、養子としてタスマニア島のブライアリー夫妻(ニコール・キッドマン、デビッド・ウェナム)にもらわれていく。
それから約20年。立派に成長したサルーは、大学の仲間の助言を得て、グーグル・アースで生まれ故郷を探し始める。
…映画に出てくる子役は、古今東西様々ですが、最近の映画ではこのサルー少年=サニー・パワールに勝る役者はいないでしょう。純粋すぎる大きな黒い瞳に心を奪われること必至です。
よくある映画の構造…主人公の幼少期の描写は少なめに、成人してからが本題…のような構造にせず、雑多で広大なインドの街をひとりさまよう孤独な幼少期にかなりの時間を割き、丁寧に描いています。この前半はスリルに満ちていて、同時に残酷でもあります。
成人してからの主人公を全力で支える育ての母親=ニコール・キッドマンはやはり巧みです。
数々のトラブルにも臆せず、故郷を探す主人公にもちゃんと寄り添って協力する姿は感動的です。
★★★。自分の迷子体験を思い出してしまいました。
ログインしてコメントを確認・投稿する