今年度賞レースの大本命にして、ミュージカル映画としては近年異例のヒットとなった『ラ・ラ・ランド』を見て来ました。
新作映画を見てサントラを買うことは良くあるのですが、最近はめっきり減っていました。
『ラ・ラ・ランド』は、帰宅して即サントラ購入した、数少ない作品です。
【物語】
女優を夢見てカフェで働きつつ、オーディションを受ける日々のミア(エマ・ストーン)。
自分の店を持ちたいジャズ・ピアニストのセブ(ライアン・ゴズリング)。
ハリウッドで出会った2人は、次第に互いに強く惹かれていく。
…あらすじを書いてもたった3行という、このシンプルさ。
物語は恋愛映画の王道を行くようで、古き良きストーリーであり、新しいものは出て来ません。
でもこの映画、一般の観客はのみならず、映画ファンを魅了する要素にあふれています。
冒頭、クラシックな”CINEMASCOPE”のロゴマークが出てきたところで、まずグッと来ます。
そしてハイウェイでの一大ミュージカル・シーン。予告編でも流れる”Another day of sun”と共に、極彩色の衣装の人々がクルマを降りて歌い上げる。ここで一気に引き込まれます。
主演の2人、エマ・ストーンとライアン・ゴズリングには、往年のRKO・MGMミュージカル映画のスターのような華麗さには欠けますが、感情しやすい等身大のキャラクターであり、その演技力にも歌唱力にも遜色なし。特にゴズリングは、猛特訓の成果というピアノ演奏を自らでこなし、俳優としての幅の広さには驚かされます。
ワイド画面のシネマスコープで、初期テクニカラーのような極彩色。しかし味付けはハリウッド製ミュージカル映画よりも、ジャック・ドゥミのフランス製大作ミュージカル…『ロシュフォールの恋人たち』…に近い感覚です。映像はMGMのような明るさで彩られていても、物語にはほろ苦さがあり、その苦い部分はラストに結実します。
甘いだけのミュージカル映画に終わらせなかったところに、デミアン・チャゼル監督の力も込めれていてるようです。
1940〜50年代の映画ネタが随所に散りばめられているので、映画好きにはたまらない作品でもありました。
★★★★。
…他の候補作を見ていないので何とも言えませんが、アカデミー作品賞を受賞するならば、不足のない作品だと思います。
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