ティム・バートン監督の最新作『ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち』を見て来ました。
監督の前2作…ディズニー印に埋もれた空疎な大作『アリス・イン・ワンダーランド』と、らしくない人間ドラマ『ビッグ・アイズ』にやや失望していたので、久しぶりのティム・バートン節の復活が嬉しい限りでした。
【物語】
フロリダで暮らす平凡な高校生のジェイク(エイサ・バターフィールド)は、好きだった祖父(テレンス・スタンプ)が不思議な言葉を亡くして不審な死を遂げたことから、祖父の謎を追ってイギリスの孤島にやってくる。
祖父が少年時代を過ごしたという児童養護施設は巨大な廃墟になっており、失望したジェイクだったが、そこには、ある特定の時間を永遠にループしながら暮らす子どもたちと、彼らを守るミス・ペレグリン(エヴァ・グリーン)がいた。”向こうの”世界に足を踏み入れたジェイクは、彼らを狙うバロン(サミュエル・L・ジャクソン)と対決することとなる。
…ティム・バートンの映画の魅力は、”異形のもの”への愛にあると思います。
『シザーハンズ』の人造人間や、『バットマン』2作のジョーカーやペンギン、『エド・ウッド』の映画監督が”異形のもの”であり、社会から受け入れられない存在や、この世のものではない存在だったりする訳ですが、それらへの愛の込め方が情熱的で、そこに惹かれて新作映画を楽しみに見るのです。
今回の『ミス・ペレグリン』では、登場人物はほぼ全員”異形のもの”。強烈すぎる個性を持つがゆえに一般社会には馴染めないものたちが、同じ1日を永遠にループしながら暮らしているという、まさにティム・バートンが得意とするジャンルの映画です。
ボンド映画にも登場した2人…エヴァ・グリーンやジュディ・デンチ、見た目のインパクトが大きすぎるサミュエル・L・ジャクソンなど、大物スターが多く出る中で、そちらの方に関心が行ってしまう難点はありましたが、その中で光っていたのがテレンス・スタンプとエラ・パーネル(ヒロイン)です。
テレンス・スタンプは、ヴィンセント・プライス師匠とクリストファー・リー御大なき後の、ティム・バートンの映画に相応しい往年のベテランとして、まさに貫禄の演技を見せつけてくれます。
若きヒロイン役のエラ・パーネルは、異形のものたちの中にあって美しく輝くはかなげな存在の役でした。かつての怪奇映画のヒロインのごとく、スクリーンで怪しく美しく光っています。
すでに絶滅したと思われたストップ・モーション・アニメのシーン(グロテスク!)や、骸骨剣士たちの戦いのシーンにも、監督の愛が込められています。こちらは古き良き怪奇映画への愛です。
★★★★。
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