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2017年02月06日00:59

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ジャン・ルノワールの戦う映画 『大いなる幻影』

天王星の脳ミソ宇宙人の映画だとか、激安C級スパイ映画みたいな作品ばかり見ているように思われがちなのですが、ちゃんと真面目にこういう映画も見ています。

ジャン・ルノワールの映画史に残る名作『大いなる幻影』を、国内盤ブルーレイディスクで見ました。

激安DVDなどでもでており、今までにも見る機会は多かったのですが、最高画質でちゃんと見たかったので、これが初見となります。

1937年(昭和12)年のフランス映画。聞きしに勝る傑作でした。


【物語】
第一次世界大戦下の欧州前線。
貴族出身のフランス軍大尉ボワルデュー(ピエール・フレネー)と職人出のマレシャル中尉(ジャン・ギャバン)は、偵察機を撃墜され、ドイツ軍の捕虜となる。撃墜したドイツ軍パイロットのラウフェンシュタイン大尉(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)は、同じ貴族出で職業軍人のボワルデュー大尉に共感し、歓待して最大限にもてなすのだった。

捕虜生活も数年経ち、脱走の常習犯として警戒厳重な収容所に移送された2人は、その収容所長となっていたラウフェンシュタイン大尉と再会を果たす。


…正直なところ、この映画、うまくまとまっているとは言えません。
映画は3つの時間と舞台から構成されており…�〆能蕕諒疥瑳�容所、�▲薀Ε侫Д鵐轡絅織ぅ鸞膂咾箸虜堂顱↓�スイス国境への脱走…それぞれのテーマも一貫してはいません(戦中戦後のフィルム散逸と再編集がその要因と思われます)。しかしそれでも、見るものに強く訴えかける熱さがあるのは、ジャン・ルノワール監督の映画への情熱ゆえでしょう。

これは素晴らしい映画です。

映画の軸となるのは、敵対する2軍人の間に芽生える尊敬と友情です。
捕虜になりながらもフランス軍人としての誇りを忘れないボワルデュー大尉:ピエール・フレネーは、最初は鼻持ちならない人物として登場しかけますが、収容所での同室の軍人たち(平民出身)ともスムーズに打ち解け、脱走計画にも大胆に加担する”漢”を見せます。常に微笑を浮かべ、機転が利くのもクールです。

対するドイツ軍人のラウフェンシュタイン大尉:エリッヒ・フォン・シュトロハイムは、敵国軍人ながらも騎士道精神を重んじ、礼節を持って捕虜と接する紳士。”怪物”シュトロハイムの強烈な存在感が圧倒的です。

この2人の最後の会話がまた感動的。と言っても泣かせるセリフも大げさな演出もなく、2人の静かな芝居と演技ですべてを悟らせる。なんと大人なことよ。凡百の感動映画は、この大人の映画を見て猛省すべき。

緊張感あふれるプロットなのにユーモアを忘れないのも、さすがフランス映画です。
収容所で、フランス人捕虜たちが祖国からの差し入れの豪華な食事を堪能しているのに対し、ドイツ軍の看守たちは塩味のスープとキャベツで飢えを凌ぐあたり、食への描き方にも熱が込められているのが良かった。

戦争映画ですが、戦闘シーンもなければ、声高に戦争反対!と叫ぶシーンもありません。
しかし映画に込められた強い反戦の意思は、公開から80年経っても、微塵も色褪せていませんでした。

★★★★。


…ブルーレイの超高画質さには驚くばかり。
セット撮影を抑え、ロケーションを多用したモノクロ映像は、鮮明で美しい限りです。

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