マーティン・スコセッシ監督が遠藤周作の原作を映画化する『沈黙 サイレンス』が公開されるのを機に、篠田正浩監督が同じ原作を映画化していた1971年版『沈黙 SILENCE』を見ました。
配給が東宝なので、当然DVDが出ていると思いきや、廃盤になって久しいようです。
日本映画専門チャンネルでの貴重なHD放送です。
1971(昭和46)年の東宝配給作品。
【物語】
島原天草一揆(1637年)も治まった、江戸時代初期の日本。
消息を絶った宣教師のフェレイラ(丹波哲郎)を探し、2人の宣教師がマカオから密入国する。
そのうちの1人、ロドリゴ(デヴィッド・ランプソン)は、上陸した長崎の小さな村で、隠れキリシタンの村人から歓迎を受けるが、キチジロー(マコ岩松)の裏切りに遭い、奉行所に捕らえられてしまう。
奉行の井上筑後守(岡田英次)はかつて自らもキリシタンであったが、信仰を捨て、宣教師や信者たちへの厳しい取り締まりで恐れられていた。
井上との対話を通し、さらに弾圧されるキリシタンたちを目の当たりにしたロドリゴは、フェレイラとの衝撃的な出会いを果たす。
…脚本には遠藤周作自身も参加し、宮川一夫が撮影するなど、当時第1級のスタッフが集結して作られた大作。70年代の邦画大作には珍しく、4:3のスタンダード・サイズで撮影された映像には、長崎の漁村の美しさと、暗く重苦しい牢獄とが対比され、壮絶なコントラストを成しています。
ロドリゴ役の主演のデビッド・ランプソンには、日本では無名の俳優を起用し、キーパーソンとなるキチジローにマコ岩松を配するなど、面白いキャスティングがされています(マコ岩松は、自身のプロダクションが製作にも参加しているようでもあります)。
篠田作品に丹波哲郎という組み合わせは意外でしたが、ポルトガル人の宣教師という役柄に違和感はありませんでした。
何かを命がけで信仰することの難しさと、それは他人を犠牲にしてまで守り抜く価値のあるものなのか、混沌とした今の世の中にあってこそ見るべき・語られるべき映画と思います。スコセッシ監督が執念で映画化したのにも頷ける要素がありました(こちらの新作は今週中に見る予定です)。
1971年度キネマ旬報ベストテン第2位。
東宝はこの映画のDVD(かブルーレイ)を再リリースすべきです。★★★★。
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