製作発表から4年あまり、さらに足かけ1年で完結した最終作『傷物語 冷血篇』を見て来ました。
西尾維新・作の同名小説を忠実に映像化した「物語」シリーズの”エピソード0”に当たる原作を、3部作で映画化した第3作です。
昨年1月に公開された第1作『鉄血篇』、8月公開の第2作『熱血篇』に続き、”冷血”篇の名にふわさしい完結編でした。
【物語】
高校生の阿良々木暦(声:神谷浩史)は、瀕死の吸血鬼・キスショット(声:坂本真綾)を助けたことから、自らも吸血鬼化してしまう。キスショットの体の”パーツ”を狙う刺客たちを次々に返り討ちにした暦は、人間の体に戻れるという彼女との約束を果たすが、不死身の吸血鬼が密かに抱える壮絶な真実を目の当たりにしてしまう。
…第1作では平凡な高校生と”怪異の王”との出会いを、第2作ではアクションもふんだんにエンターテインメントに徹し、この最終作では、西尾維新特有の会話劇の面白さが十分に発揮されており、実に面白い3部作でした。
登場人物はたった4人しかいないのに世界観は深く、その深みに没入する快楽。これこそが「物語」シリーズの面白さです。
『ヱヴァ』新劇場版をのぞいてほぼ絶滅した、シネマスコープ・サイズによる長編アニメーションというのも、「物語」シリーズ初の劇場版に見事に適合しておりました。
吸血鬼を描いた映画は『ノスフェラトゥ』の昔からゴマンとあれど、不死身であるが故の悩みに触れた作品は驚くほど少なく(『ぼくのエリ』『血とバラ』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』は傑作)、難しい題材です。しかしここに1本(正確には3本)、吸血鬼映画史に加えるに値する傑作が誕生したと言えます。
★★★★。壮大なサーガの第0章として、この上ない映画化作品です。
ログインしてコメントを確認・投稿する