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2016年03月26日08:40

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人権284〜人権侵害救済法案を阻止すべし

●人権侵害救済法案(続き)

 ここでこの項目の冒頭に触れたことに補足すると、政党のもとで具体的に法案を作るのは、国家官僚である。国家官僚は、現行の日本国憲法に従って法整備を行おうとする。彼らの中には、左翼的な思想を持った者が少なくない。官僚の背後には、彼らに思想的な影響を与えた学者がいる。東京大学等の権威ある学者が左翼人権主義の理論を説くと、官僚はその理論の実現のために行政の実務を進める。政党が法案を進めているようでいて、それを誘導しているのが、官僚であり、学者であり、特殊な思想を持つ政治団体なのである。ついでに言えば、この人的ネットワークは、国際的な左翼人権主義の団体や外国人活動家につながっている。そして、彼らの活動の主要領域は、国際連合の中にある。
 わが国の人権侵害救済法案の場合、その実現を進めているのは、法務省である。法務省は、平成23年(2011)12月、「人権救済機関設置法案」(仮称)の概要を発表した。この法案の最大の問題点は、依然として人権侵害の定義が曖昧なことである。人権侵害とは「不当な差別、虐待その他の人権を違法に侵害する行為」とするが、これではどうとでも拡大解釈ができてしまう。人権侵害だという主張が乱用される危険性がある。それまでの法案には「差別的言動」という文言があったが、これに代えて「差別助長行為」を禁じるとした。だが、実体は変わっていない。差別を受けたという主張によって憲法で保障された他の基本的権利、表現の自由等を侵害し、ひいては自由民主主義の社会を崩壊させる危険がある。また、それまでの法案には、令状なしの「強制調査」が盛られ、警察権を超えるものとして批判を受けていた。そこでこれをなくし、調査を拒否した場合の「過料」も見送った。だが、そもそも現在の法制度の下でも、法務局は人権侵害の訴えがあると任意の呼び出しを行っている。あえて新法を作り、権限を拡大する必要はない。法案は、人権侵害救済機関を「三条委員会」として設置するというが、任意調査しか行わない組織を「三条委員会」にしようとするのは、将来、強制調査権を付与できるようにしたいがためだろう。
 法務省の統計によれば、毎年、約2万件の「人権侵犯事件」が発生しているが、99%つまりそのほとんどは現在の法制度の下で救済されている。法案は、人権侵害の救済方法として、新しい人権委員会制度の下では、「援助」「調整」「説示」「勧告」「要請」等が行われるとされている。だが、現在でも法務省訓令に基づき「援助」「調整」「説示」「勧告」「要請」等が行われている。新たに人権委員会を設置する必要はない。現行制度の運用で足りる。
 仮に人権委員会が強大な権限を振るうようになると、言論統制や密告等によって国民の権利の侵害が深刻化するあろう。さらに、市町村に置く人権擁護委員には日本国籍の有無について規定がなく、地方参政権が付与されれば外国人でも就任できる仕掛けになっている。人権侵害救済法案を推進する勢力と、外国人地方参政権付与の実現をめざす勢力は重なり合っている。もし地方参政権を得た在日韓国人や在日中国人が人権擁護委員に就任すれば、本国政府の指示のもと、人権侵害を自国の国益のために利用することは目に見えている。人権侵害救済法案をめぐる人権問題は、わが国と周辺諸国との間の独立と主権の問題となっているのである。
 平成24年(2012)9月民主党・野田佳彦内閣は、人権救済機関設置法案を閣議決定した。そして、その年秋の臨時国会への提出を目指した。だが、同年12月の衆院選で再び政権交代が起き、自民党が政権に返り咲いて安倍晋三内閣が成立した。これによって、人権救済機関設置法案提出の動きは止まった。かつて人権擁護法案を準備していた自民党では、人権侵害救済設置法案の危険性を理解し、法案に反対する意見が増えている。
 平成28年(2015)3月現在、本格的保守政権である安倍内閣が続いているが、今後、再び旧民主党である民進党を中心とする政権に代わったり、あるいは自民党内で左翼人権主義と親和的なリベラル勢力が大きくなると、また人権侵害救済法案が提出される可能性がある。自由民主主義を守り、日本国民の権利を保持するためには、左翼人権主義による人権侵害救済法の制定を阻止しなければならない。それには、人権という魔術的な言葉のからくりを見破ることが必要である。

 次回に続く。
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